2020年03月30日
【3月定例議会の報告3 会派代表質問(2月26日 本会議)その3 子ども若者支援】
【3月定例議会の報告3 会派代表質問(2月26日 本会議)その3 子ども若者支援】
会派代表質問に関する報告、今回も続きます。全部は紹介しきれないので、かいつまんでお届けします。後日公開される会議録に、質問と答弁は全て掲載されます。今回は、子ども若者支援について。
なお、前回説明の通り、代表質問とは、市長の新年度施政方針等に対し、会派に属する議員が会派を代表して行う質問です。2月17日の本会議で市長が述べた新年度施政方針も、併せてご覧ください。
(参考 https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0510/mayor/policy/siseihousin2020.html )
(会派代表質問の発言通告書(何を質問するかの目次)は、以下からダウンロードできます)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/7860/council/kaigi_iinkai/giji_speech/r02/3tei/documents/iseki200226.pdf
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- =市長 ★=教育長 ▽=伊関団長
を表しています。
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■18 放課後児童対策について
(1) 全校に放課後子ども教室を設置し、その後学童クラブの公設化を段階的に進めていくことについて
- 放課後子ども教室は来年度、鷹取小と鶴久保小学校に設置。その後も各学校の教室の使用状況等を踏まえ、拡充したい。放課後児童クラブ公設化は現行の逸見小学校の公設学童クラブの運営状況、各学校の教室使用状況、待機児童の状況を踏まえ対応したい。なお、小学校設置の民設民営のクラブのうち、保護者負担が大きい等の課題を抱えるクラブは、関係者との十分な協議を踏まえ、公設化を検討していく。
→会派として、今回の代表質問に際しては「まずは、全校に全児童対策である放課後こども教室を設置し、その後学童クラブの公設化を段階的に進めていく、という道筋を固めていくべき」という意見でまとまっています。昨年公表した会派のマニフェスト「よこすか未来会議マニフェスト2019-2023」では、「誰もがあんしんできる放課後子ども教室の全校設置と、学校内で17時以降に実施する安価な学童クラブの整備を目指します」と表現していました。なお、学童クラブとは、保護者が留守などで放課後家にいない児童のためのもので、放課後子ども教室とは、保護者が家にいる・いない関係なく誰でも使えるもの、とご理解ください。
選挙時に掲げた【加藤ゆうすけの政策集】において、私は政策「小学生の放課後の居場所として、学童クラブ(※正式には放課後児童クラブといいます)を 46 小学校区全てに整備します」「日本一高いと言われる、 学童クラブの保育料を下げます」を掲げています。( http://katoyusuke.net/policy/ )小学生の行動範囲を考えれば、全小学校区に学童クラブがあるべきで、保育の必要性がより高い児童のための施策を優先度上げてやらねばならない、との考えに基づいています。
しかし、昨今の状況を見ると、「子どもは学校終わったらかばん放り投げてその辺で友達と遊んでいればいいんだ」と、子どもの放課後の過ごし方を手放しに各家庭にゆだねられる環境にはないのでは?との思いが私の中でも強くなってきています。かばん放り投げて遊ぼうにも、子どもの数は減っていますから遊ぶ友達が外にいないですし、習い事で忙しかったり、互いの家を行き来することも少なくなりました。つまり、保育の重要性は不変ですが、子どもの遊び・育ちを積極的に支えていく上では、特に放課後保護者のいる・いないに関わらず、全児童のための対策のスピードを上げねばならないのではないか、ということです。
放課後に保護者がいたとしても、その児童が文化資本に恵まれているとは限りませんから、横須賀市の児童に豊かな学びの機会を提供する意味でも、全児童対策は、意味のあることと思います。全児童対策もやる、留守家庭児童対策も保護者負担を軽減する、その両立を、着実にやってもらえるよう願っています。
■19 中高生の居場所づくりについて
(1) 中高生世代に対して放課後の過ごし方や居場所の必要性に関するアンケート調査を実施することに対する市長及び教育長の考えについて
- 平成30年度に第2期横須賀子ども未来プランの作成のために、小学5年生及び中学2年生の児童・生徒と保護者に、子どもの生活等に関する実態調査を行って、居場所等に関する調査は行っている。委員御提案のアンケート調査をすぐに実施する予定はないが、第3期プラン策定時にも、幾つかの調査を行う必要があると考えているので、その中で、必要な内容を検討していきたい。
★支援が必要な人の居場所づくりは必要と考えている。一般の中・高生については、成長過程の中で、自ら居場所をつくり出していくことが肝要と考えている。中・高生の約8割は、放課後に部活動を行っており、また多くの生徒が塾や予備校に通っていることもあり、改めて放課後の過ごし方や居場所について、教育委員会としてアンケートを実施する予定はない。
(2) 多感な時期の中高生世代が楽しく自由に、かつ安全に日常を過ごす居場所の必要性について
(3) 中高生世代が気軽に集い、思い思いに過ごせる居場所を積極的に設置することについて
- 施政方針でも申し上げたが、私の子ども時代は、外で皆と遊ぶことや親以外の大人と関わることでコミュニケーション能力がつくなど、貴重な学びの場となっていた。ただ、私もこの時代にあっては、中・高生世代の居場所について、不要なものとは思っていないが、中・高生世代に限らず、多様な世代の地域住民が集い、交流できる場は大事だと思うので、既存の施設の有効活用なども含め、FM戦略プランの中で検討したい。
→これについては、2問目のやり取りも併せて以下掲載します:
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▽続きまして、中高生の居場所づくりのところで、先ほど市長からは自分の時代は外で遊んで、周りの大人からも怒られながら遊んでいたよということを言っていただきましたけれども、当然中高生の方たちって全員が塾に行って、全員が鍵っ子というわけでもないですし、様々な形の状態でいらっしゃると思うのです。その中で中高生の方たちが友達同士で遊べる場所がどんどんなくなっていると。
私の時代も当然友達の家に遊びに行ったり、うちに来たり、そういうこともあったですし、図書館に行ったりとか公園で何か行ったりということもやっていたのですけれども、だんだんそういうことができない社会といったら変な言い方なのですけれども、そこは少し時代が変わっているというところの御認識はしていただいて、いろいろな悪いことを助長するような手が伸びてきているのも事実だと思うのです。
そういう中で、全国でこれだけ子どもの居場所の施設ができていて、多くの方が訪れてくれているということは、やはり需要としてこの時代にあるということだと思うのです。そこに対してやはり行政としても手を差し伸べること、やっていくことが今、重要な時期に来ていると思うので、ぜひその辺も御検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
- おっしゃる意味はよく分かる。ですが行政がどこまでできるかという話になるので、1つの施設をつくったってこれはしようがない話になりますよね、どこかの市であるというように。では本市、横須賀市で高校生、中学生がどのくらいいて、地域はどこにするかという問題になったときに、どうすればいいかという話になる。青少年会館なり青少年支援の様々な施設もある、公園もあるといったときに、では具体的にどうなのかという話になると、どういう子どもを育てて何をしたいのかというときに、個人的には我々の時代は自分で勝手に遊ぶような話なだけで、それがなくなったときにどういう施設を提供するかというのはやはり個人の自由だと。野球もあるし、クラブもあるし、様々なことがあるというふうに思うので、何が必要かというのはやはりこれから考えなくてはいけないと思うので、これから少し検討させていただければというふうに思います。
▽検討していただけるということなので深くは言わないですけれども、本当にいろいろな施設を見せていただいて、中高生がどんどん来て、楽しげにその場所で時間を過ごしているところを見ると、やはりこういうのも横須賀市で、例えば市長、先ほど言われたとおり、いろいろな場所でということだったのですけれども、取りあえず1つ造ってみて、サンプル的に。それがどういう影響があるかとか、どういう活用の仕方がされるのかというのはぜひ御検討いただきたいと思いますので、これは答弁結構です。
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→率直に申し上げて、「ああ、やっぱり、市長に伝わらないなぁ」という感じです。上記答弁、10代・20代が読んで、果たして横須賀市に希望が持てるだろうか?という観点でご覧いただくと、私のがっかり感が伝わるかなと思います。
税を原資とする限られた資源を効果的に配分する上で、やむを得ない判断を常に迫られるのが現代の地方自治体です。何でもかんでもやるわけにはいきません。しかし、「個人的には我々の時代は自分で勝手に遊ぶような話なだけで、それがなくなったときにどういう施設を提供するかというのはやはり個人の自由だと。」とまで市長に言われてしまうと、若い世代としては、ここに自分たちの居場所はないな、と感じることでしょう。
また、「中・高生世代に限らず、多様な世代の地域住民が集い、交流できる場は大事だと思う」という話も、ちょっと違うわけです。今回の質問で、「中高生向け施設」を例に挙げてその必要性を問うている中で、「多様な世代が集う場は大事」という答弁は、ああ、またもや、ちょっと伝わってないなぁ…とがっかりでした。
(今回の代表質問で例に挙げた施設)
・CHUKOらんど チノチノ(長野県茅野市) https://www.city.chino.lg.jp/site/kids/55.html
・b-lab(ビーラボ)(東京都文京区)http://b-lab.tokyo/
多様な世代が集えば、年少者には、年長者に対する遠慮が生まれます。無論、それは尊敬の裏返しでもあるわけですが、「b-labは、いつでも、なんでも挑戦できる中高生の秘密基地です」(webサイトより引用)とは言い得て妙で、要するに、中高生が、ここは自分たちの居場所だ、自分達だけの居場所があるんだ、と思える場所かどうかがここでは重要なのであって、それは多様な世代が集う場と同じかというと、違うと思うのです。
以前(2018(平成30)年6月定例議会)、私が一般質問で、生活困窮世帯の子どもに対する居場所づくりという側面から、愛知県高浜市の生活困窮世帯の子どもに対する学習等支援事業、および東京都足立区の在住中学生、中学まで当該事業を利用していた高校生、高校中退者、未進学者を対象とした学習支援、居場所支援事業を事例として取り上げ、質問した際にも、「伝わらないなぁ…」と感じたことがありました。
(過去、加藤が例に挙げた事業)
・「ステップ」(愛知県高浜市) https://www.city.takahama.lg.jp/soshiki/fukushi/1715.html
・「アダチベース」(東京都足立区) https://www.katariba.or.jp/activity/project/a-base/
この2例では、支援を受ける側の中高生より少し先行く先輩、的な存在である大学生などが、支援活動で大活躍しているのです。ついこないだまで、中高生側だったからこそ、手の届く心の領域があるのではないか、と推測します(特にエビデンス云々はありませんが。ごめんなさい。) そのあたりを捉えて、本市でもぜひ積極的に目を向けてもらいたいと質問しましたが、あまり市長には伝わらなかった…との感触を持っていました。
「若者支援は、全ての政策実現への近道である」との思いが私にはあります。「なぜ若者支援が、全ての政策に有効に機能するのか」をもっと言葉を尽くして説明したいと思います。これまでも、若者支援的な視点を随所で質問・質疑に織り込んではきましたが、今後も引き続き取り組みます。