2020年01月18日

【市制記念日の学校休業日化は、はたして働き方改革なのか?】

【市制記念日の学校休業日化は、はたして働き方改革なのか?】

2021年から、2月15日は、横須賀市立の小中学校・高校が休みになることが、1月16日の教育委員会定例会で決められました。

「2月15日?何の日だっけ?」という市民はとても多いと思いますが、そうです、横須賀市の市制記念日なのです。



■休みにする目的は「郷土愛の醸成」と「教職員の多忙化の緩和」?

市制記念日の休業日化は、教育委員会定例会に先立って開催された市長も出席する総合教育会議でも報告されました。

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「郷土愛の醸成」が市制記念日の休業日化の理由としてあげられています。



また、「平成30年度総合教育会議における「市制記念日」に関わる要旨」として注記があり、一年前の同会議で休業日化の話がでていたことも説明があります。

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その一年前の会議、私は傍聴していたのですが、「教職員の働き方改革」の文脈で、市制記念日の休業日化は出てきていました。



また、今回の会議の席上でも、市長が「先生方の多忙化の緩和にもなるし、子どもたちも含め自分の市の誕生日を祝えるのは重要なことだ。先生のリフレッシュにもなり、子どもたちと先生が元気になり、市全体の活力向上にもなる。」という趣旨のことをおっしゃっており、「教職員の多忙化の緩和」という目的も、市制記念日の休業日化に込められていることがわかります。





ただ、タイトルに記した通り、

【市制記念日の学校休業日化は、はたして働き方改革なのか?】

という疑問が、どうしても私はぬぐえませんでした。



「郷土愛の醸成」は、それが官からの押しつけにならなければ、素晴らしいことだと思います。



私も、横須賀で育ち、様々なかたにお世話になり、そして「ふるさとは、無くなったら、取り戻すことは本当に難しいんだよ」と原発災害に遭った福島で教えてもらって、こうして横須賀に戻って今の仕事をしています。私が横須賀に戻る最終的な決め手が「愛」であったことは、疑いの余地がありません。



しかし、もとは「働き方改革」の文脈で出てきた「学校閉庁日」の議論が、「市制記念日の学校休業日化」と、ともすると同列に扱われかねないのは、やはり違和感を覚えるのです。



郷土愛の醸成は、それはそれで大切なことなので、やってもらいたいですし、市制記念日の休業日化も、授業時間の確保が可能という判断の上なので、理解はできます。



ですが、「教職員の多忙化の解消」は、もはや2月の受験期の一日を学校休業日にしたからといって解決できる話ではないですし、かつて市制記念日が休みだった頃とは違い、共働き世帯も多い中で、家に一人でいることになる子どももいるのだろうなということは、ここに書き留めておきたいと思います。

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