2024年10月03日

【財政力は平均並み。ただ、臨時的な出費に対してあまり余裕がなく、借金の負担も重くなってきている。なのに、計上したけれど使わなかった予算がやや多い】

9月定例議会も、残すところ最終日10月4日のみとなりました。

■令和5年度決算の全体の概要

令和5(2023)年度、つまり昨年度の決算です。
歳出(使ったお金)は、約1681億円でした。
なお、市には3つの財布(一般会計・特別会計・企業会計)があり、一番皆さんがイメージする市役所のお金の出入りが一般会計なので、今回紹介しているのは、一般会計の金額です。

一番大きいのが「民生費」という区分です。

言葉のイメージ通り、高齢福祉、障害福祉、児童福祉などにかかるお金を足し合わせた区分であり、近年金額も増えており、一般会計歳出全体に占める割合も増えています。
コロナ禍を経てぐんと増えたというのもありますが、2014年度決算では556億円だったものが、コロナ禍直前の2019年度では591億円となり、今回2023年度では725億円となっています。



一方の、歳入(入ってくるお金)は、約1735億円でした。
最も重要な財源である市税収入は、約592億円で、歳入全体の34.17%でした。

なお、市税収入をはじめ、いくつかの項目を足し合わせた「自主財源」という区分としては、歳入全体の47.0%を占める形となりました。

「自主財源」の対義語は「依存財源」で、これは国や県からのお金、地方交付税など、自分たちの自治体ではどうにもしがたい区分が含まれます。

行政学の俗語で、よく、「3割自治」といわれるのですが、これは
「地方自治体の財源のうち、自主財源は約3割しかない」という状況を皮肉るものであり、本市も、市税という観点からは、当てはまっています。



■財政の健全度は?
よく「横須賀市の財政状況は?」と聞かれます。
色々な側面から語ることができるので、なかなか一言で言えないことが多いのですが、令和5年度についていえば、

「財政力は平均並み。ただ、臨時的な出費に対してあまり余裕がなく、借金の負担も重くなってきている。なのに、計上したけれど使わなかった予算がやや多い」

という状況です。

・財政力指数が0.748となり、中核市平均(令和4:0.78)を0.032ポイント下回っている

・経常収支比率が99.9%で、中核市平均(令和4:92.0%)を7.9ポイント上回っている

・公債費負担比率が15.2%で、前年度より0.3ポイント悪化、中核市平均(令和4:12.8%)を2.4ポイント上回っている


というあたりが、「財政力は平均並み。ただ、臨時的な出費に対してあまり余裕がなく、借金の負担も重くなってきている。」の理由です。

そして、「なのに、計上したけれど使わなかった予算がやや多い」
という部分は、「不用額」と呼ばれる、「計上したけれど使わなかった予算」の額が多かった、という意味合いで記しています。
(令和3:99億円→令和4:167億円→令和5:179億円。一般会計と特別会計の合計額。)

もちろん

「令和5年度は本市で大きな災害が起きなかったため、復旧に見込んだ予算が使われず余った」

などの正当な理由もありますが、余裕があるとは言えない中で、必要な方に確実に福祉を届けるためにも、なるべく不用額が出ないようにしてほしいものです。

例年、決算概要は広報よこすか11月号に掲載されますので、他の数字にご関心のある方はぜひご覧ください。





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