2024年07月29日
【「社会に求められる多様性」?】(2024年7月26日 議会基本条例検証特別委員会)
議会基本条例検証特別委員会もだいぶ進み、今回は新規条文の追加案について協議しました。
いつものごとく今回も長いブログではあるのですが、今回は、ぜひ、ブログをご覧いただいたうえで、録画もすべてご覧いただきたいなと思います。38:40あたりから始まります。
なお、加藤ゆうすけによる議論の書き起こしをこのブログの下の方に全文掲載していますので、併せてご覧ください。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/yokosuka/WebView/rd/speech.html?year=2024&councilid=89&scheduleid=6&playlist_id=0&speaker_id=0
■地方議会は政治分野のジェンダー平等に取り組む責務を有する
横須賀市議会基本条例ができて13年間の中で起きた大きな変化の一つが、2018年に施行され、2021年に改正された「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の存在だと、私は思っています。
単に「私は大切だと思っています」というレベルではなく、この法律によって、地方議会は、政治分野のジェンダー平等を推進する責務を負っています。
なので、このタイミングで議会基本条例を見直しているにもかかわらず、条例の中でジェンダー平等に触れないのはどう考えてもおかしいでしょ?ということで、よこすか未来会議は新規条文として2つを提案しました。
当日、委員会内で提案理由を説明した部分も併せて貼ります:
ーーー当日の書き起こしーーー
(提案新規条文1)
議会は、ジェンダー平等の観点から、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めるものとする。
という条文を追加したいと考えています。
提案理由・内容としては、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律及び同法の一部を改正する法律に基づいて、各市町村議会がジェンダー平等の推進に努めています。本市議会も規則改正や環境整備を行ってきたことは、先ほど、私も申し上げた通りでございますし、市議会会議規則、委員会規則及び議会運営委員会申し合わせ事項の改正で対応してきたというのがここまでの流れかと思います。そのうえで、今後さらに多様な人材が議会で活躍できるよう、ジェンダー平等を目指す取り組みは不断に継続する必要があることから、議会基本条例において、ジェンダー平等を目指す議会の環境整備について明文化すべきではないかという考えによって、今回、新規条文として提案をしています。
そして、追記する箇所なんですが、 あえて明示せず、広く議論する必要があるかなとも考えての提出だったんですが、ま、あえて申し上げるならば、全体の構成上は、第2章 議会の活動原則、第6条 議会の活動原則に(6)として追記するのが良いのではないかと考えています。
なお、他市議会の先例として、京丹後市議会が議会基本条例の一部改正において、(議会の環境整備)第3条「議会は、 男女共同参画等の理念にのっとり、多様な議会、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めるものとする」として追加している例があります。
続きまして、新規条文の2の方を説明を申し上げます。
(提案新規条文2)
議会は、政治分野におけるジェンダー平等が推進されるよう、議会における審議を体験する機会の提供、 公選による公職等としての活動に対する関心を深め、これに必要な知見を提供する講演会等の開催の推進その他の人材の育成及び活用に資する施策を講ずるものとする
という条文です。
こちらの提案理由、内容については、改正法の第10条に基づいて、政治分野におけるジェンダー平等が、 議会基本条例においても人材育成に関する事項を明記すべきとの考えによるものです。
なお、この政治分野における男女共同参画の推進に関する法律において、実施主体として地方議会は地方公共団体の中に含まれると、当初の改正前の旧法の段階でも解釈をされていますが、 2021年の法改正において、
基本原則第2条第4項「政治分野における男女共同参画の推進は、政党その他の政治団体が自主的に取り組むほか、衆議院、参議院及び地方公共団体の議会ならびに内閣府、総務省その他の関係行政機関等が適切な役割分担の下でそれぞれ積極的に取り組むことにより行われるものとする。」
と、わざわざ地方議会も実施主体であることが明記されています。
さらに、法改正で、この3条において、法改正前は努力義務であったものを法改正によって責務規定に変えているという、政治分野における男女共同参画の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務が 地方議会にもあることから、同法第10条、人材の育成等についても議会基本条例中に追記して取り組むべきであるという考えに基づく提案でございます。
こちらも追記箇所はあえて記してはいないんですが、この政治分野における男女共同参画を推進するための人材育成の手段というのを、議会から市民に対して何らかの情報や知識を提供する行為と捉えれば、第4章 市民と議会の関係のどこかに位置づけるのが良いのではないかなと考えています。
説明は以上です。
ーーーー書き起こし終わりーーーー
■「社会に求められる多様性」?
他方、自由民主党からも、新規条文の提案がありました。
提案理由として、当日、以下のようにご説明がありました:
ーーーー書き起こしーーーー
●自由民主党 泉谷委員
今回、自由民主党からは、第2章第6条の第6項にこのような条文を追加したらどうかとご提案をさせていただくものになります。 提案理由といたしましては、表記の通りではありますが、 現在、社会からあらゆる多様性が求められている中で、横須賀市議会としては、これまでもかなり柔軟な取り組みが行われてきていると評価を行っています。
そのため、当初はあえてこのような条文を記載する必要もないかと考えてはおったのですが、一方で他都市の議会では多様性について明文化する議会も増えてきております。 また、先日、議会制度検討会議でも、例えば育児中の視察への参加についての議論が行われるなど、かなり具体的な話も出てきているところであります。
そのような中では、妊娠、出産、また障害などの身体的な理由、また育児や介護などの社会的な理由、加えて男女共同参画であったりジェンダー平等の推進といった観点、包含できるような条文をこの基本条例に明記することが必要ではないかと思い、今回提案をさせていただきました。以上であります。
ーーーー書き起こし終わりーーーー
そして、今回の1時間の議論の論点は、以下2点に集約されると私は思っています。というより私はそのように議論したつもりです:
(1)「社会に求められる多様性」とは何か?
(2)「ジェンダー平等の推進」を明記しない理由はあるのか?
(1)「社会に求められる多様性」とは何か?
「多様性」は、文字通り、多様です。誰がどのように在ったとしても、それは多様性です。
その多様な存在で構成される人間社会が存続していくために、国内には憲法以下各種法令があり、国際的には、条約などによる秩序の維持が図られています。
なので、現時点で法律や条例で「多様性」と言う上では、「障害者差別をする多様性」とか、「女性差別をする多様性」とかは、当然に含まれないように、できあがっています。
つまり、何も「社会に求められる」という言葉を付け加える必要は無い、というのが私の考えです。
むしろ、「社会に求められる」と付すことで、「社会に求められない多様性」は排除されるのではないか?「社会に求められる多様性」を定義するのが多数派であっていいのか?と慎重に検討を重ねる姿勢が、市議会にとって重要だと思います。
(2)「ジェンダー平等の推進」を明記しない理由はあるのか?
今回のよこすか未来会議の提案は、法律により地方議会が責務を負ったことに対応するものです。
「多様性」の中にジェンダー平等の推進は当然に含まれますが、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律 を立法する必要性がなぜあったのかの背景を考えれば、法律の施行および改正の意味を、地方議会として特別に重く受け止めて、議会基本条例を制定後初めて全面的に見直すこのタイミングで、「ジェンダー平等の推進」を明記しない理由が無い、と思います。
ともあれ、結論は次回に持ち越しとし、8月27日13:30からの開会を待つこととなりました。
次回の会議では、今回の議論を踏まえ、正副委員長が作成する新規条文たたき台がしめされる見込みです。
ぜひ、傍聴にお越しください。
以下、今回の全書き起こしを掲載します(長いです):
ーーーー
議会基本条例_横須賀市議会24-07-26 10:39頃から~
●自由民主党 泉谷委員
今回、自由民主党からは、第2章第6条の第6項にこのような条文を追加したらどうかとご提案をさせていただくものになります。 提案理由といたしましては、表記の通りではありますが、 現在、社会からあらゆる多様性が求められている中で、横須賀市議会としては、これまでもかなり柔軟な取り組みが行われてきていると評価を行っています。
そのため、当初はあえてこのような条文を記載する必要もないかと考えてはおったのですが、一方で他都市の議会では多様性について明文化する議会も増えてきております。 また、先日、議会制度検討会議でも、例えば育児中の視察への参加についての議論が行われるなど、かなり具体的な話も出てきているところであります。
そのような中では、妊娠、出産、また障害などの身体的な理由、また育児や介護などの社会的な理由、加えて男女共同参画であったりジェンダー平等の推進といった観点、包含できるような条文をこの基本条例に明記することが必要ではないかと思い、今回提案をさせていただきました。以上であります。
▽加藤ゆうすけ
ご説明をありがとうございます。 多様性という文言を盛り込むという部分で、「社会に求められる多様性」というふうに記してあると思うんですが、 提案内容、提案理由を拝見しますと、「社会に求められる多様性」という部分については、本市議会でも市議会会議規則や申し合わせ事項などで対応できるよう整備を進めてきたと記していただいた通り、私たちも、その出産、育児などの理由による会議の欠席等についての明文化ですとか、 出産に伴う会議の欠席期間の範囲や配偶者の出産補助を理由とする会議の欠席等についての明文化といった本市議会の歩みは、まさにその「社会から求められる多様性」というものについて、 自分たちの議会自身をしっかり律していく、規律していくということを法令上に具現化してきたものなのかなというのは感じているので一致してるところなんですが。
ただ、これ一方で、「社会に求められる多様性」を尊重しという表現ですと、じゃあ「社会に求められない多様性」ってなんなんだという話になりかねないと思うんですね。要するに、現在の横須賀市議会が社会に求められる多様性だと認識するものだけが多様性なのかという話なんですけど、 この、言葉で明確に対象を規律していく条文を作っていく上でそういった部分も注意しなければならないことかなと思うんですが、 この「社会に求められる多様性」というのを明記した理由というのはどういったものでしょうか。
★委員長
ちょっと間違いございまして、 各提案を皆さんいただいて、そこで質疑をというところだったんですけど、ここで質疑を受けてしまったので、この。(加藤からあとでいいですと申し出) いいですか。じゃあ、それを含みながら、すいません、よこすか未来会議さんの方のご提案と説明の方をお願いいたします。失礼いたしました。
▽加藤ゆうすけ
それでは、趣旨説明をいたします。資料をご覧ください。新規条文の1から説明を申し上げます。
(提案新規条文1)
議会は、ジェンダー平等の観点から、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めるものとする。
という条文を追加したいと考えています。
提案理由・内容としては、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律及び同法の一部を改正する法律に基づいて、各市町村議会がジェンダー平等の推進に努めています。本市議会も規則改正や環境整備を行ってきたことは、先ほど、私も申し上げた通りでございますし、市議会会議規則、委員会規則及び議会運営委員会申し合わせ事項の改正で対応してきたというのがここまでの流れかと思います。そのうえで、今後さらに多様な人材が議会で活躍できるよう、ジェンダー平等を目指す取り組みは不断に継続する必要があることから、議会基本条例において、ジェンダー平等を目指す議会の環境整備について明文化すべきではないかという考えによって、今回、新規条文として提案をしています。
そして、追記する箇所なんですが、 あえて明示せず、広く議論する必要があるかなとも考えての提出だったんですが、ま、あえて申し上げるならば、全体の構成上は、第2章 議会の活動原則、第6条 議会の活動原則に(6)として追記するのが良いのではないかと考えています。
なお、他市議会の先例として、京丹後市議会が議会基本条例の一部改正において、(議会の環境整備)第3条「議会は、 男女共同参画等の理念にのっとり、多様な議会、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めるものとする」として追加している例があります。
続きまして、新規条文の2の方を説明を申し上げます。
(提案新規条文2)
議会は、政治分野におけるジェンダー平等が推進されるよう、議会における審議を体験する機会の提供、 公選による公職等としての活動に対する関心を深め、これに必要な知見を提供する講演会等の開催の推進その他の人材の育成及び活用に資する施策を講ずるものとする
という条文です。
こちらの提案理由、内容については、改正法の第10条に基づいて、政治分野におけるジェンダー平等が、 議会基本条例においても人材育成に関する事項を明記すべきとの考えによるものです。
なお、この政治分野における男女共同参画の推進に関する法律において、実施主体として地方議会は地方公共団体の中に含まれると、当初の改正前の旧法の段階でも解釈をされていますが、 2021年の法改正において、
基本原則第2条第4項「政治分野における男女共同参画の推進は、政党その他の政治団体が自主的に取り組むほか、衆議院、参議院及び地方公共団体の議会ならびに内閣府、総務省その他の関係行政機関等が適切な役割分担の下でそれぞれ積極的に取り組むことにより行われるものとする。」
と、わざわざ地方議会も実施主体であることが明記されています。
さらに、法改正で、この3条において、法改正前は努力義務であったものを法改正によって責務規定に変えているという、政治分野における男女共同参画の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務が 地方議会にもあることから、同法第10条、人材の育成等についても議会基本条例中に追記して取り組むべきであるという考えに基づく提案でございます。
こちらも追記箇所はあえて記してはいないんですが、この政治分野における男女共同参画を推進するための人材育成の手段というのを、議会から市民に対して何らかの情報や知識を提供する行為と捉えれば、第4章 市民と議会の関係のどこかに位置づけるのが良いのではないかなと考えています。
説明は以上です。
★委員長
はい、失礼。大変失礼しました。 改めて、ただ今の説明についてご質問があります委員はご発言をお願いします。で、とりあえず先ほどの質問を覚えていただいてれば。 自民党さん、よろしいでしょうか。
●自由民主党 泉谷委員
「社会に求められる多様性」と表記したのはなぜかというご質問いただきましたが、 昨今の現代では、多様性と言えばなんでも許されてしまうではないですけれども、 多様性にも、やはりあらゆる色があると思っています。あの、やはりこの多様性を尊重する中では、少数派の意見、自由というものを尊重しつつ、多数派の意見というのもやはり同様に尊重しなければならないという風に考えています。
そうした中で、少数派の意見だけではなく、多数派の意見も取り入れるということで、社会に求められる多様性ということで表記をしています。なんでもありというわけではなく、社会からはこういうものが必要だよねって言われたものをきちんと取り入れていくことが重要ではないかなという風に考えているため、このように表記しました。以上です。
▽加藤ゆうすけ
その論理でいくと、今、中高年で、健康で、サラリーマン/ビジネスパーソンではない、男性、というのが市議会の圧倒的多数なわけですけれど、多数派の意見を尊重しつつ、少数派の自由な意見も尊重しつつ、でも、ある程度「社会に求められる多様性」を多様性として、「社会から求められない多様性」は多様性ではないというふうにも聞こえてしまうんですけど、いかがですか。
●自由民主党 泉谷委員
あの、この多様性の捉え方については、非常にこうデリケートな部分もありますし、非常に難しい問題だということで、会派の中でも話をさせていただいたところです。現在、この提案理由のあたりに表記している、例えば、妊娠、出産、障害であったりとか、 またジェンダー平等であったりとか、こうしたところというのは、今、社会的に非常に議論が活発に行われている点ではないかなという風に捉えています。
なので、今、加藤委員がおっしゃったような、議会の中にいる多数派の意見だけを尊重するわけではなく、こうした社会的な流れというものもしっかりと勘案しながら、社会に求められる多様性というものを横須賀市議会として捉えていくべきではないかなという風に考えています。
▽加藤ゆうすけ
個人の自由と公共の福祉というのを考えた時に、それが対立しないように設計をされてるのが現代社会だと思うので、多様性という単語を持ってきた時に、「社会に求められる」という枕言葉をわざわざつけなくとも、公共の福祉に反するものに関しては到底認められないというのが、およそ法令のもとでの我々議会の秩序だと思うんですが、あえてそれでも「社会に求められる」と表現を付け加える理由はありますか?
●自由民主党 泉谷委員
ここでこう、あえて社会に求められるという表現を行わせていただいたわけですけれども、その、先ほど申し上げた通り、多様性には今色々な形があって、思想の違いであったりもそうですし、身体的な違いもそうですし、そうしたあらゆる多様性を受け入れるという風になってしまうと、なんでもかんでもという風にどうしてもなってしまうんではないかなという思いから、加藤委員がおっしゃったような、その、一般的なその公共福祉の範疇で求められるという点で、社会に求められるという文言もつけたところです。なので、すごくこう言葉を砕いて申し上げれば、なんでもかんでも取り入れるわけではなくて、公共の福祉に資するような、そういった多様性を尊重するという言い方をしているところです。
▽堀りょういち委員
最後におっしゃってた、その公共の福祉に資する多様性と、社会に求められる多様性、というのは全然意味が違うと思うんですね。「社会に求められる多様性」って見方を変えてしまうと、要は、その、世論で声が多数上がったら尊重しますっていう風な受け身的な捉え方にも捉えられかねないなという風に思います。地方議会、政治の役割というのは、やはりこれまで埋没してきた声なき声に対して、そういった声にしっかり耳を傾けて、そしてそういった声をすくい上げていくといった主体的な姿勢というのが非常に重要じゃないかなという風に思っております。なので、この「社会に求められる多様性」という言葉を使ってしまうとですね、そういった、やはり政治としてのあるべき姿勢というのがないがしろになってしまうという風な捉えられ方もあるんじゃないかなという風に思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
●自由民主党 松岡委員
ここで、我々、ちょっと自民党の中で色々考えたんですね。まぁ、あの、多様性の中で。今、社会、まあ、いろんな意味の差別とか等があるんで、そういう、なんですか、まあ当然、男女も当然ありますし、いろんな意味で。で、今の社会はいろんな意味でもそういう、なんですかね、前と違って多様性が含まれる中で、まあ、そういう意味で、自ずとこの今の社会に求められるという、全て包含という言い方で、ちょっとまあ、あの、社会、社会に今の求められる、現代、前ですとまあ、特にジェンダーですとまあ男社会うんぬんあったんと思うんですけど、今は、国はジェンダー平等、男女共同参画やってますから、ジェンダーだけじゃなく、障害、あと、まあ、育児、出産、介護とか、そういうの全部、今は、今の社会が求められるっていう意味の、ちょっと我々は包含という意味でちょっと考えたつもりでこういう表現になりましたけど、っていうことですけど、どうでしょうかね。
▽加藤ゆうすけ
「前と違って多様性が求められる世の中になった」ということではなくて、そもそも普通選挙という仕組みが、 誰もが立候補できるという点で、年齢の制限はあるにせよ、多様性を想定した仕掛けになっているので、前提として選挙は多様性だと思うんですね。なので、前と違って必要になったから多様性を入れるということではないのかなという風には思います。
で、そのうえで、もちろん、個別の、障害であったりとか、人種であったりとか、あるいは憲法の言い方で言えば門地ですとか、そして性別といったものがある中で、それをこう多様性とした時に、当たり前ですけど色々なものを想定して多様性と言っているので、そこにわざわざ「社会に求められる」という制限をつける必要性が一層分からないんですが、なぜでしょうか?
★青木秀介委員長
まあまあ、自民党さんはそういう風に考えたということですよね。それを突き詰めて、その、それは何かというふうに問われても、なかなか答えづらいというか、ということですね。他の切り口で(質問はありますか)
▽日本共産党 井坂委員
参考までに伺いたいのが、説明の中で、他市でも明文化されているというご説明がありました。具体的にその他市を教えていただければ。
●自由民主党 泉谷委員
例えば例を挙げれば、島根県の浜田市議会において、議会基本条例の中でこの多様性についての条文が明記されていたりですとか、そういった点を挙げさせていただきました。
▽日本共産党 井坂委員
島根県浜田市のその議会基本条例の文言には、「社会に求められる多様性」という文言があるということですか?
●自由民主党 泉谷委員
その浜田市議会の基本条例の中には、社会に求められる多様性とは記載がありません。この社会に求められる多様性という文言は、自民党会派の中であらゆる検討を行った結果、表記したものになります。
▽加藤ゆうすけ
違う点での質疑なんですが、 多様性は、言ってしまえばものすごく組織運営が大変になるものだと思います。まあ、もう少し平ったく言えば、ややこしくめんどくさいものをまるごと受け入れるというのが多様性だと思います。やはり人間は本質的に自分と似た人と繋がりやすい傾向があるという、まあ研究もありますし、当然、同質性が高まった組織の中では内部でのコミュニケーションは、しやすくなるんで、ま、一見快適なわけですよね。 つまり、多様性の方が大変なわけで、むしろ同質性の高い方に行ってしまうのを、意図的に多様性を生み出していくにはものすごくエネルギーが必要だと思うんですけど、今回の提案の条文によって、こう、具体的に実現させる取り組みなどの想定は、なんかどういったものがあるんでしょうか。
●自由民主党 泉谷委員
はい。例えば、妊娠、出産、また育児、介護などにおいてはすでに規則等で定められているところでありますので、実はこの横須賀市議会では既に行われていることでもあると思っております。
また、例えば障害等に対して、例えばですが、今後、車椅子がどうしても必要な方が 議場の中をバリアフリーに対応するとか、そうしたことも必要かと考えています。このような具体的なことというのも、議会の最高規範である基本条例に明記をすることで、加藤委員おっしゃる通り、非常に多様性を推進するというのは物理的にも非常に大変なところがあるかと思いますが、そういったところで、この多様性が社会から求められているということをしっかり認識して、 認識するという意味でもこのような条文が必要ではないかなという風に考えております。
▽加藤ゆうすけ
議会局に確認をしたいんですが、議場のバリアフリー化について、 だいぶ先輩の議員になられますけど、当選後に何らかのご病気をされて、少し配慮が必要になって、そのうえで配慮を受けて、前の方の議席でですとか、ある程度バリアフリーではないけれど対応したみたいな、確か伺っているんですが、その他の観点で、議場のバリアフリー化という議論ってこれまでの中でどういったものがございましたか?
●議会局長
はい。ちょっと今、加藤委員おっしゃられたような事例という認識が具体的にはないんですが、もし現状であれば、そのような、何かことでですね、なかなか困難な対応を求められる議員がいらっしゃった場合はですね、バリアフリー化、すぐにってわけではなくてですね、今おっしゃったような、今できる範囲でですね、議席を変更するですとか、議会局職員が付き添うとか、 そういった対応を行うことになろうかと思います。で、例えば車椅子の方が当選された場合などに備えてですね、 バリアフリー化をするかといったような、具体的な議論、明確な議論というのを行われたことは、過去には私の把握してる範囲ではなかったのかなという風に認識をしております。
▽加藤ゆうすけ
ありがとうございます。やはり、ジェンダー平等もそうですけど、障害というのも、 障害をお持ちの方に「障害者」という一括りではくくれないほどの色々な事情がある以上は、 その多様性の中に入っているものの1つ1つのテーマがものすごく大きく、深く、対応に時間もかかるものですので、 1つ1つ丁寧に扱う必要が、今のバリアフリー化の話も伺って、まだまだ進めなければいけない部分があるんだなということも分かりましたし、一方に、 議会としてのリソースの限界、1年間に使える時間の限界、人の限界というのもありますので、議会基本条例に盛り込んでいく上では、やはり個別具体の取り組みがまあ見えているという形の方向を目指した新規の条文がいいのかなという気はしております。
で、そして最後の質問になるんですが、 提案理由、内容のところで、「男女共同参画やジェンダー平等の推進」という風に並列していただいたこの理由っていうのは何かあるんでしょうか。
●自由民主党 泉谷委員
はい。まず、 先におっしゃっていただいたその意見についてなんですけれども、やはりそのリソースに限りはあるんですが、やはりまあ、それこそ社会から様々な多様性っていうのが求められている時代だと感じています。まあ、昔に比べればという話にはなってしまうんですが、男女共同参画の観点から言えば、やはり、妊娠・出産をされる女性の方に対してどういう配慮ができるかっていうところももちろんそうですし、育児を行う男性に対しての配慮ももちろんですし、昔に比べると、現代社会では様々なこの多様性が求められているという風に感じております。
これを包含するということは非常に大変なことだということは重々承知の上で、ただ、それでもこうした多様性というものをしっかりと意識をして議会として取り組んでいかなければならないという思いから今回の提案をさせていただいてる次第となりますので、これは説明とさせていただきます。
また、もう1ついただきました男女共同参画、そしてジェンダー平等、これを並列しているということについてですが、 言ってしまえば、その男女共同参画を英訳するとジェンダー平等になるなんていう、そういう書き方をしている著書などもあったりはするんですが、 少し毛色が違うものかなっていう風に考えています。提案理由の中なので少し説明をさせていただきますと、男女共同参画というのは、いわゆるその男性だからとか女性だからというそういう観点で、男性だからこうしなければならない、女性だからこうしなければならないのならないという部分というのが非常に強い毛色なのかなという風に考えています。一方で、そのジェンダー平等というのは、人の意識に関する部分で、男性だから何々すべきとか女性だから何々すべきっていう、そういう男性像、女性像みたいなことを、非常に微妙なところではあるんですが、うたっているものだという風に考えております。
横須賀市の公式ホームページの中で、ダイバーシティーの課の部分の中にも男女共同参画とジェンダー平等というのは分けて書かれていましたので、このような書き方をさせていただきました。以上です。
▽日本共産党 井坂委員
先ほど、他都市でも明文化している具体例として島根県浜田市の事例を教えていただきました。
浜田市議会基本条例では、「障害のある議員及び妊娠中の議員に対して、本人の意思を尊重し、円滑な議会活動のための配慮をしなければならない」。そして、「議員が議会活動と育児、介護との両立ができるよう配慮しなければならない」。3つ目として、「ジェンダー平等の理念にのっとり、多様な議員が議会活動を行うことができるよう配慮しなければならない」。この3つに分けてるんですね。
これを1つにまとめた形なのかなって、今回、自民党さんの提案を受け止めてはいるんですけども、浜田市議会のように、こう、もう少しこう3つ細分化してもよろしいのではないかなと思ったんです。1つにまとめてしまうと、この文言としてはあの、まあ、間違ってるっていう文言というよりは、拡大解釈されてしまう恐れを非常に心配しているんです。先日の東京都知事選挙でも、あれはまあ選挙活動ではありますけれども、書いてないからこれをやっても自由だとか、明らかに常軌を逸したような選挙活動が行われ、今大きく問題とされている状況を鑑みると、将来的にこの条文を明記してしまうことによって様々な影響が起きてしまうのではないかということを懸念しております。それについてどのような議論を会派として行われたのか。
●自由民主党 泉谷委員
はい。おっしゃっていただいたように、当初、浜田市議会のこの条文を見た時に、やはり分けて書くということも想定を行いました。ただ、その、いわゆる我々が考えた社会に求められる多様性というところは、その浜田市議会の条文に表記されているものだけではなく、今後様々なものが出てくるのではないかなという想定がありました。
そうしたあらゆる社会に求められる多様性を包含できるようなものということで、今回一文にまとめさせていただいた次第であります。
▽日本共産党 井坂委員
この条文によって拡大解釈されてしまう恐れについて、どのような議論を会派で行ったか、確認したいのですか。
●自由民主党 泉谷委員
やはり拡大解釈される恐れがあるということは、これも検討を行いました。
その中で、社会に求められる多様性という書き方をすることで、 先ほど申し上げましたが、何でもかんでも取り入れるということではなく、しっかりと社会の現状を勘案した上でそれに取り組むべきだという思いから、社会に求められる多様性という書き方をさせていただいた次第です。
▽日本共産党 井坂委員
様々な多様性が他にもあるという風に先ほどおっしゃっていて、かといって、なんでもかんでも受け入れてはいけないというような形で、少しその辺、整理しないと齟齬が生じてしまうのではないかなと印象を持っているんですが。
●自由民主党 泉谷委員
はい。今、整理をという話ではあったんですが、例えば、その、実はこの検討を行う中で、浜田市議会に書かれている部分以外でも、例えば、その、療養中であったりとか障害という、障害があるなしという話ではなく、例えば療養中であったりとか、そういったものも含めて、身体的なもの、精神的なものであったり、あらゆる、こう、多様性というのが考えられるなという検討結果から今回このような書き方をさせていただきましたが、整理が必要であるということであれば、例えば、これを包含する一文ではなく、今、横須賀市議会として必要としているものを浜田市議会のように分けて書くということも今後の検討の 1つになっていくのかなという風に感じています。
ただ、今、自民党の提案としては、このように、あらゆる多様性の中でも、社会に求められる多様性をということで包含をして、この一文で提案をさせていただいております。
▽日本共産党 井坂委員
はい、浜田市議会のように3つに分けることも1つ考えられるという風なご答弁でした。続きまして、よこすか未来会議さんにご質問をしたいのですが、 新規条文2の方で 必要な知見を提供する講演会等の開催とありますけども、これは例えば講演会等とありますけども、研修会なども含まれているのでしょうか。
●加藤ゆうすけ
研修会も含むと思っております。
▽日本共産党 井坂委員
未来会議策が今回提案された新規条文1も2もその通りなんです。非常に重要なことだとは考えております。で、 もう1つ伺いたいのが、今回、今年度の議員研修会を開催するにあたり、私たち日本共産党としては、ジェンダー平等の観点から女性の生理についてというテーマを提案させていただきました。ジェンダー平等について議会基本条例に明文化していなくても、私たちはこれまでジェンダー平等を推進する施策を様々な形で議会において提案してきましたけれども、今回のこの女性の生理については、市に対しても、あの市民に対しても、そして私たち議会に対しても必要な研修ではないかというふうに今回提案させていただいたんですけども、参考までによこすか未来会議さんの中でどのような形で私たちのテーマについて検討されたのかを教えていただきたいのですが。
●加藤ゆうすけ
議員研修会のテーマですので、あくまでも我々の会派として必要だなと思ったものをまずは優先したいという思いで選んでいます。で、その上で、女性の生理に関しての議員研修というのも良いかなとは思っておりますが、あの、申し訳ないですが、優先順位として我々の選定したいものを選んだという形でございます。
▽日本共産党 井坂委員
おっしゃる通り、議員研修会ですから、テーマはあの絞られてる形ではないです。各会派とも自由で出されてもいいわけです。 参考までに、どういった形でよこすか未来会議さん、非常にジェンダー平等についても本会議や委員会などでも提案されてきました。質疑もされてきました。非常に参考になると思っていたんですけれども、同意できればなとは思ったんですけども、どういう形で今回検討されたのかお聞きしたくて伺った次第です。
この新規条文1についてですけれども、これを新たに基本条例に盛り込むにあたり、先ほども正副委員長案、一致しましたけども、将来的に 4年おきに検証されるにあたって、どういった形で評価を行うのか、そこのポイントについて、よこすか未来会議さんとしてどういった形での評価を考えているのかを伺いたいのですか。
●加藤ゆうすけ
今回、法改正、法に基づいて「議会の責務」とされてるものって3つあるんですね。1つが環境整備で、1つが人材育成で、もう1つがセクハラ・マタハラ防止なんですけれども、 セクハラ、マタハラ防止については、すでに政治倫理条例の方でパワハラの防止の時にセクハラも一文入っていますので、少し進んでいるのかなと思ってます。
こういった形で、それぞれのこの3つの責務に対して、やることのできる施策というのがいくつかある中で、それについてどれくらい議論をしてどれくらい実現したかというのが1つ、定量的にといいますか、市民の方にも、これは実現しました、これは議論しましたが導入には至りませんでした、これは議論はまだしていませんという形の評価の軸になるかなとは思います。
▽日本共産党 井坂委員
私たち日本共産党としては、まあ国政、県政もそうですけども、 こういった政治の場において、意思決定する場、政策決定する場において、当然女性の議員も男性とせめて同数いるべきではないかということを昔から考えておりました。そして、ここ、およそ20年以上、25、6年、横須賀市議会においては、私たち日本共産党は女性議員50パーセント以上、会派としてはキープしてきました。
結構これは大変な労力を使うんです。 しかしながら、市民の意見を代弁する、代表するという場では、当然女性の視点に立った議論ということは必要不可欠であるという風に考えております。基本条例において、今、加藤委員が、評価ポイントということを教えていただいたんですけども、 決して、そうすると、女性議員が増えたか減ったかということは、基本条例の評価については、そこは評価基準とはならないということでしょうか?
●加藤ゆうすけ
そこは議会の議論で入れることもできるかなというふうには思います。ただ、今回、 市議会としてのまあ責務を考えたときに、もちろん人材育成の文脈の中で、立候補を目指す市民の人材の育成というのは視野に入っているわけですけれど、その結果が、そうですね、結果を持って評価するということも大事だと思いますし、その過程で議会として議論をしてきた、何をやろうとしてきたのかという部分についても見るというのも同時に必要だと思っています。なので、一番最初に申し上げたことに戻りますが、女性の議員の数がどうなったかというのも評価の軸に加えてもいいとは思っています。
▽日本共産党 井坂委員
そうですね。どうしてもそこが1つの評価ポイントになるのではないかと思います。で、 そうしますと、どういった形で女性議員を増やす取り組みというところも問われるのではないかなという風な印象を持っています。具体的な取り組みとしては、そうすると新規条文2につながるのかという風な印象を受けています。人材育成という観点では。先ほどおっしゃったように、女性候補者が積極的に候補者として名乗りを上げる、そして選挙活動をできるというような環境整備につながるのではないかなという印象を受けていますが、その理解でよろしいのでしょうか?
●加藤ゆうすけ
今回提案するにあたって、ちょうど江藤俊昭先生が(月刊)ガバナンスに書いていたんですが、やっぱ人材育成の中では、 女性模擬議会の開催、審議会での女性割合の引き上げ、議会の仕組みなどを候補する広報だよりの充実、学校に出かけていって意見交換などなど提案をされていたんですが、やはりそのそれぞれの取り組みについて、ジェンダー平等の視点からどういった取り組みができるかというのを盛り込んでいくのが、先ほどの(江藤)先生の列挙した人材育成の部分は必ずしも女性に限ったものではないと思うんですけど、ただ、ジェンダー平等、 とりわけ女性議員増というところでは、ジェンダー平等の観点から推進していくという形で各種取り組みを進めていくということができるのではないかなと思っていますし、今すでに実施している広報広聴会ですとか、そういった取り組みの枠組みの中でもこうした視点を持って実施していくということは全然可能だと思ってますので、その意味でも、条文に追記することによってその法的な担保がされて、かつ、立法事実として女性の議員を、まあジェンダー平等という観点からは「女性」と必ずしも限ることは必要ないと思うんですが、ジェンダー平等の観点から多様な議員を増やしていくということができていくんじゃないかなというふうに思います。
▽日本共産党 井坂委員
はい。もう1つ伺いたいのが、 浜田市議会基本条例では、「ジェンダー平等の理念に則り」というふうに文言があります。で、先ほど説明の中で京丹後市議会も「理念に則り」という表現があったと思うんですけども、今回そういった形ではなく、ジェンダー平等の「観点から」という風な文言にした理由、背景について教えていただけますか。
●加藤ゆうすけ
男女共同参画という言葉の成り立ちから考えれば、 まあ女性差別撤廃条約に従って日本が国内法を整備していく過程の中で生まれたある程度妥協の産物だと私は思っていまして、なぜジェンダー平等あるいは男女平等という表現にしなかったのかという当時の議論はあると思うんですが、今回、この男女共同参画という言葉ではなくてジェンダー平等としたのは、当然に、ジェンダー平等であれば国が男女共同参画と言っているものも包含していく形になりますし、やはり 男女共同参画局を内閣府も英訳するとジェンダーイクオリティなわけですから、そういった意味では、ジェンダー平等の方がより現代的には適正な表現であるというふうに考えて盛り込んでおります。
▽日本共産党 井坂委員
私が伺ったのがですね、今回、未来会議さん、よこすか未来会議さんが提案したのは、ジェンダー平等の観点から、議会はジェンダー平等の観点からというような文言でした。で、京丹後市議会や 浜田市議会ではジェンダー平等の理念に則りという文言であって、そこの違いなんです。男女共同参画がジェンダーではなくて、伺っているのは、「観点から」という文言にした理由なんですね。他の議会では、知る限り、私は、浜田市議会は理念にのっとり、ジェンダー平等の理念にのっとりという風に最初に書いている。で、京丹後市議会も、先ほどの説明の中ではジェンダーの理念にのっとりとあったんです。その理念にのっとりというと、 割と大きなところでの理解が進みやすいのではないかな。ではどういった理念なんだろうというところでは、基本的なところでは重要かとは思うんですけども、ジェンダー平等の観点からとあえて表現した理由についてお伺いしました。教えていただきたいのです。
●加藤ゆうすけ
あの、申し訳ないですが、あまりそこにこだわりはございませんで、どちらもジェンダー平等という視座からあらゆるものを見渡した時に見直すべきところがあるのではないかという提案ですので、 理念にのっとりでも、観点からでも、受け止めとしては同じかなという風なところではございます。
▽日本共産党 井坂委員
こういった形では、ジェンダー平等については基本条例に盛り込む時代ではない時代であるという風に私も認識はしております。先ほども申し上げましたから、基本条例にないけれどもジェンダー平等は進めていくという観点から、私たち日本共産党はこれまでも議論をしてまいりました。
提案理由・内容の中で、ジェンダー平等を目指す取り組みは不断に継続する必要があるというふうに明記されております。やはりこれは、 私としては、以前議会の中で、委員会でしたかね、ジェンダー平等という観点はもう当たり前にならなければいけない、いつかはこの文言も将来的には外すような時代が来ることを望むというようなことを言ったんですけども、 やはり明記を今しなければいけない、そうしなければ進まないということから今回提案された、そういう理解でよろしいのですか。
●加藤ゆうすけ
まさに今おっしゃっていただいた通りでございまして、 やはりなぜジェンダー平等を議会基本条例に明記するのかというのは、もちろん政治分野における男女共同参画を推進する法律があるからというのが直接的には理由ですが、 やはりそれ以上にですね、我が国のジェンダー不平等の特に足を引っ張っているのが政治分野だからというのはもうご承知の通りと思います。やはりジェンダーギャップ指数の話を考えれば、政治と経済が足を引っ張ってるというのは自明のことですので、それを地域で、地方で、むしろ機動力を持って推進していく役割は議会だという風に考えると、やはり明記すべきではないかなと考えます。
▽日本共産党 井坂委員
やはり議会として、議決機関として積極的にジェンダー平等という文言を今入れるというところでは 求められている必要性があるという風に、私はそのように解釈しました。
この文言も含めてなんですけども、自由民主党さん、よこすか未来会議さん、それぞれ提案されてきた中で、 今議論を皆さんと一緒に交わしていただいた中ですと、やはりある程度具体的に絞った方が市民の皆さんにも理解が進むのではないか、共有されるのではないかという風な印象を持っております。先ほど泉谷委員も、文言を、文章、条文を細分化、3つに分けても1つの考え方ではないかという風なことをおっしゃっていました。そういった観点から言うと、少しこれを検討してみる必要性があるのではないかなということを、今皆さんと議論を交わして、そのような印象を私は持った次第です。以上です。
▽自由民主党 泉谷委員
今井坂委員おっしゃったように、我々自民党としては今包含した文章で出しているわけですが、やはりこれを検討していく議論の中では、分けて、具体的に書くということも検討したというのは先ほど説明した通りです。その中でちょっと伺いたいのですが、よこすか未来会議さんのこの新規条文1,2 、特に1のほうから話を進めますと。我々の考えとしてはジェンダー平等も、妊娠・出産・障害も、また育児・介護もということで包含できる文章をということで、今回提案をさせていただいたわけですが、ジェンダー平等だけに焦点を絞った理由について教えていただいてよろしいですか?
●加藤ゆうすけ
今回あくまでも我々の提案が政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が施行されたことによるものなので、ジェンダー平等の観点から、という条文にしています。で、そのうえでなんですが、おっしゃっていただいた通り、障害に関する部分ですとか、その他のテーマ、今回まだご議論されていない部分含めてですが、それを条文に追記するということはむしろ賛同するところですので、今回我々の提案がジェンダー平等の観点からというものだったのは、法律が施行されたことによるというものでございます。
▽自由民主党 泉谷委員
ここで、今まで出てきた議論の中で、なぜその、検討した中で分けるか、包含するかっていうところで、包含したものを出してきたのかというところについて説明をさせていただきますと、当初分けて考えるということも検討の中にはあったんですが、例えば、先ほど井坂委員もおっしゃっていましたが、何より理想的なのはジェンダー平等が大事だよねって言わなくてもいい社会になることが大事だと思っています。障害を持っている方も当たり前に議会に参加できる環境が整備されるだとか、その今求められている多様性というものが、当たり前になる社会が当然一番理想的なことだと思っています。例えばここにジェンダー平等というふうに具体的に書いてしまうことで、今後検証を行っていく中で、いつこのジェンダー平等の条文を当たり前になったのだから外したいのだけれどなかなか外せないだとか、そういうふうになってしまう時代がいつか来るんじゃないかという思いから、今回は包含したものにしたほうが今後、今求められているものだけではなく、今後さらにいろんなものが、こう出てくるものも全て含められるような、そういうものにした方がいいんではないかという思いから、 自民党としては今回包含した文章で出させていただいたという経緯があることも合わせてお伝えをさせていただきたいと思っています。
先ほど私が質問させていただいた、なぜジェンダー平等のという焦点で、という質問に関しては理解をしましたので、これは大丈夫です。ありがとうございました。
★公明党さん、なにかございませんか?
▽公明党 川本委員
質問というよりも意見になりますけれども、もちろんジェンダー平等も重要だと認識しています。しかし、それだけではなくてですね、性別にとどまらず、先ほどもからもご説明がありましたけれども、障害の方であったり、育児や介護の方など、 この議会基本条例の条文に載せることについてはですね、特定の対象ではなくて、すべての方々を包含できる多様性という表現が私たちは適切だと考えています。 従いまして、自民党さんのご提案に賛同いたします。というのが私たちの意見です。
▽加藤ゆうすけ
公明党さんに伺いたいんですが、先ほど私がかなりこだわって議論をした部分なんですが、社会に求められる多様性という表現そのままに受け入れるということですか?
●公明党 川本委員
先ほどのやり取りも聞かせていただいた中でですね、いくつかにこう、分けて条文を作っていくっていうことの方が分かりやすいところもあると思いますので、そのあたりは、 あの、特にこの今のご提案のあった社会に求められるっていうこの一文だけでいいというふうには考えていません。ただ、分けて分けた方が分かりやすいということであれば、そのような形の方がよろしいかと思います。
▽加藤ゆうすけ
確認なんですが、多分、先ほどのご意見だと、最初の自民党さんのご提案に賛同だったのが、今ご返答いただいた内容だと、おそらくその後に、ジェンダー平等・障害・・・とテーマを分けて条文に記載する、それぞれ条文を作るという形への賛同と受け取ったんですが、これ、どちらが真でしょうか?
●公明党 本石委員
これは、社会に求められる多様性という、分けるのではなくて、元のところについての賛同ではあるんですけれども、これは、今後のこの社会に求められるという一文を添えることによって 逆に市民の皆様に誤解を招くというような、そういう議論が進んでいくのであれば、そこのところに関しては今後一考の余地があるかなとは思っております。
▽加藤ゆうすけ
ということは、自民党さんの原案に賛同ということですかね?
●公明党 本石委員
そのように会派として判断させていただいております。
★日本維新の会さん、なにかございませんか?
▽日本維新の会 安川オブザーバー
はい。自民党さんの、この、社会に求められる多様性を尊重し、という中にですね、その、よこすか未来さんの言っているジェンダー平等の観点っていうのが含まれてるというようなニュアンスで、この、よこすか未来さんのその新規条文1の考えが自民党さんの出されたやつに包含できるような形でまとまれないのかなというふうに思っているんですけれども、なかなか、でも加藤さんのお話とかを聞いてると、ちょっとやっぱりあの齟齬があるのかなと思っているところです。
★質疑が一応集結をすると、今回のご提案に対してのご意見を各会派にお伺いをしていくということになりますので、よろしいでしょうか。もう質疑はよろしいですか。事務局に対するもので、もう、ないですね。では、質疑はありませんので、各会派へのご意見を伺ってまいりたいと思います。それでは、自由民主党さんから。要は、自分ところで提案してるとこもあります、未来さんから提案しているところもありますというとこも含めて、今回の3つの提案に対してのご意見ということでございますので、よろしくお願いいたします。
▽自由民主党 泉谷委員
様々な議論を行わせていただき、ありがとうございました。中で出ました「社会に求められる多様性」というものが、 例えば今後市民の方から、に対して誤解を招くようであれば、例えば「あらゆる多様性」ですとか、そういったふうに変更するということも一考できるかなと思いますが、 現状では自民党案としてはこのようにそのままで出したいと思っております。また、今、オブザーバーの日本維新の会さんからもありましたが、ジェンダー平等も含めて全ての観点で包含をできるようなものをということで提案をしておりますので、 よこすか未来会議さんの新規条文1については我々の提案に包含できるんではないかなという風に考えています。 また、新規条文、未来会議さんの新規条文2につきましては、国の方ですでに定められているものですので、あえてこの地方自治体の方で言う必要はないのかなという風にも、現状では考えているところであります。以上です。
▽加藤ゆうすけ
ちょっと意見を述べる前に自民党さんに質問なんですが。
★質疑をさっき終わっちゃった。
▽加藤ゆうすけ
いや、今の意見に対して。
★意見に対して。
▽加藤ゆうすけ
いまの意見に対して確認をしたいんですが。
★確認ならいいですよ。質問は終わりましたからね。
▽加藤ゆうすけ
あの、「分けて書くというのも今後の検討の1つかなと考えます」という風にさっきおっしゃっていたので、それは取り下げて、この今回の提案を推していくということですかね?
●自由民主党 泉谷委員
まだ期限的にこう、検討の余地がありますか?
★はい、まだあるでしょう。
●自由民主党 泉谷委員
では、よろしいでしょうか。はい、はい。今、加藤委員からご質問いただきましたが、現状ではこの原案のまま、我々としては、提案をさせていただきますが、皆さんの意見を聞いた中では、分けて書くということも検討に入れられるのかなという風に思っていますので、原文のまま、もしくは分けて書くということで、我々の意向としては通したいなと思っています。
★よろしいですか。
▽加藤ゆうすけ
ということは、分けて書く条文が新たに提示されるということですよね?
★はい。いいですか。
●自由民主党 泉谷委員
分けて書くということも含めて、分けて書くという提案をするかどうかも含めて・・・
★今後ね。
●自由民主党 泉谷委員
はい。検討したいと思っています。
★確認なんで。確認なんで。
(「でも、それは全く違うもんだから」 と呼ぶ声あり)
▽加藤ゆうすけ
ちょっと今のお答えというか確認の結果を聞いていると、なんとも私は申し上げられないなというのが正直な感想でして、 当然、我々は提案している文章が我々として必要だと思っているので提案をしているんですが、 それに対して包含するものが新たな条文として提示されるのか、それともそうではないのか、ちょっと分かりかねるという部分では、そもそも我々の提案した条文に関してはこの通り載せたいと思っていますが、 自由民主党さんの案に対してはちょっと今何も述べられないというのが現状です。
★確認までに、要、要は、あの、自民党さんとしてこれを提示をしてるので、これで進めるのか、いまあの自民党さんの発言の中で新たな項目に分けるというような、要は2つのご提案をされてしまったので、どっちなんだという、こういうことを確認をしたいと。これで行きたいのか、これじゃなくして条文ごとに分けるのかというとこがちょっと確認できなかったのでというのをちょっと確認までに。
●自由民主党 泉谷委員
はい。大変失礼いたしました。 議論の中ではそういう、そういう検討もできるのかなと思いましたが、現状、会派としては、この包含できる文章一文でということで意見を出してきております。この一文、包含できる一文のみで自民党としては提案をしていきたいと思います。
★はいでございます。はい。なんだっけ。ということで、どうしますか。ご意向を聞いてたんですよ。はい。
▽加藤ゆうすけ
先ほどの質疑の議論は、全て、「分けて書くということも今後の検討の一つかなと考えますが」という風におっしゃられてたことを前提に議論してましたんで、 正直、自由民主党さんの案に対しては今態度は決められないという形で我々の意見としたいと思います。その上で、我々の提案してる条文1、2について載せたいということでお願いします。はい。
▽川本委員
はい。あの、このジェンダー平等の重要性というのは、私たちもほんとにもう十分認識をしています。その上でですね、まあ、ジェンダーに特化、 ジェンダーだけに特化することなくですね、その他の方々も包含できるようなという意味合いも、意味合いでですね。自由民主党さんの条文に賛同いたします。
▽日本共産党 井坂委員
自由民主党さんご提案のこの文言ですと、先ほど議論の中でも述べましたけども、拡大解釈等の懸念が残るということで難しいのではないかと思います。他都市のように、妊娠や出産、障害などの 身体的理由、育児や介護などの社会的理由によって議会活動が制限されることがないように配慮などの文言をつけた条文を付け加えることができるのではないか、そのように皆さんとの議論を交わして印象を受けております。
よこすか未来会議の条文1については、新たに議会基本条例に盛り込むことが必要ではないかという風に私たちとしては考えております。新規条文2については、個別具体的なところでの人材育成という点では条文1に含まれるのではないかと思いました。例えば、逐条解説などにおいて、この新規条文2の内容を盛り込むという手段ができるという風に考えております。いずれにせよ、今日の議論を踏まえてですね、できればもう1度会派で再検討していくことが必要ではないかなという印象を受けています。
▽日本維新の会 安川オブザーバー
はい。自民党さんの提案された案にはおおむね賛成なんですけども、先ほどの質疑の中でもあったように、その「社会に求められる多様性を尊重し」という言葉が誤解が生まれる可能性もあるという部分も指摘される方たちもいらっしゃいますんで、そこが、その、ジェンダー平等であったり、その、障害などの身体的理由や社会的理由があるかもっていうのがなんか含まれるようなその文章に練れないのかなという。
それで、未来さんの、その条文1で提案されている趣旨もそこにうまくすり合わせられたらな、というのが、思っています。あと、未来さんのその条文2の方に関しましては、その、全国的な、その女性の議員のなり手不足とか、議員不足とかそういったものがあると思いますんで、それが法律でもそういう形で全国的に進めてるというのは理解したところなんですけども。横須賀市においては立候補者が、去年の選挙であれば、その定数39人のとこに立候補者55名出てますし、そういう意味じゃ、なり手不足っていう部分で言うと、ちょっと横須賀は、あの、積極的にやりたい方もいらっしゃると思います。で、女性が少ないってのは確かにあると思うんですけども、そういったことも、各党であるとか各会派であるとか各議員の方が、ぜひ、この、女性にも一緒に市議会に立候補して活動してほしいっていう方たちを、インターンシップを利用したり、いろんな方で議会のことを、こう、お知らせして興味を持っていただくこともできると思いますんで、今の現時点では、あえて横須賀市の方でこういった条文を作る必要はないのかなと思っています。以上です。
★皆さんお聞き及びの通り、議会基本条例ができて13年間経って、ここで大幅な検証をしている中で、新たな条文の追加というのは、 ある意味、今回の特別委員会の中ではかなり重い意味合いがあるかと思います。その中にあって、各会派からのご意見が出てはいる状態ですが、 それぞれどこの、自民党さんが出されたものがいい、未来さんがいいっていうような話の中で、この現状の、今の現状でこれをなかなかまとめきって新たな条文というのはちょっとこう難しいと今考えております。
ただ、あの、なかなか、ある程度のところは見える論点は見えてきてはいると思いますので、共産党の井坂さんの方からも、一辺会派に持ち帰ってというようなこともございましたので、別に、次回ということで、たたき台としての正副委員長案、これは案ということよりも、ちょっと、たたき台として、皆さんにそれを題材として、揉んでいただくような題材として、次回の時にご提示をさせていただければというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか?
(「結構です」と各議員反応)
★はい。で、その折に、仮に、未来さんは2条分出しているのでね、その、2条例というとこにこだわりということは特に?
●加藤ゆうすけ
正副委員長の議論にお任せします。
★はい。では、その辺も含めて、ちょっと皆さんから叩き台という風になるような正副委員長案を次回の時にご用意をさせていただいて、再度協議をさせていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
ーーーー書き起こし終わりーーーー