2024年02月29日

【変えるべきではないもの】(2024年2月29日 議会基本条例検証特別委員会)

本会議代表質問・個人質問の4日程(2月22~28日)が終わりました。我が会派からは堀りょういち議員が登壇しました。代表質問の結果も改めてブログに書きます。

そして今日2月29日は議会基本条例検証特別委員会でした。
前回ブログ( https://www.katoyusuke.net/blog/24020301 )ではまだ空欄だった、議会基本条例検証シートに各会派・議員の意見が記入され、本日の審議資料となりました。

●検証シートはこちらからダウンロードできます↓
https://x.gd/QHO9y

本日の検証議論は、第1条から第9条までを行い、以降は3月29日に行うこととしました。全体的な議論の傾向として、評価をつける基準が、「条例の条文がどのように作用してきたのか(実績基準)」なのかと「条例の条文があるべき姿に照らしてどのような評価を受けるべきなのか(ある意味では理想基準)」で、各会派・議員ごとに見解が分かれていたように思います。

■変えるべきではないもの


本日、特に集中して議論があったのが、第6条をめぐる部分でした。


各委員から述べられた意見は、以下の通りでした。
ーーー発言メモーーー

▽松岡委員(自由民主党)
評価に関しましては、Bといたしました。1項から5項まであるんですけど、特に4項「市民参加の機会の拡充」について、14条に深く関わりががあるんじゃないかと思いまして、その点ちょっと検討しなきゃいけないのかなと思って、今回はB評価としました。
★青木秀介委員長
逆に14条のどこが?どこがそういう?
▽14条「議会は市民との意見交換の場を多様に設け」という、そこです。市民参加。そのところが、ずいぶん、第6条4項と関連するんじゃないかと思っているんです。
★まとめて(議論すべき)、ということですね?となると、第6条と第14条が、同趣旨であるということではないですよね?また質疑で(確認しましょう)。はい。
 
▽加藤ゆうすけ(よこすか未来会議)
第4項「 市民参加の機会の拡充を図り、市民の多様な意見をもとに政策立案、政策提言等の強化に努めること」については、いまお話にも出ていましたけれど、14条「議会は、市民との意見交換の場を多様に設け、市民からの政策提案の機会の拡大を図るもの」と同様に、不断の努力を重ねる余地はまだ十分にあるかなというところと、一方で、条例改正が必要なわけではなく、運用上も現行の会議の中で「市民との意見交換の場を多様に設け、市民からの政策提案の機会の拡大を図る」方法は議論していますので、変更は必要ないということで、条例改正も運用変更も必要はないけれど、まだ頑張る余地はあるよねというB評価です。
 
▽川本委員(公明党)
私共は、条文の中の文言でですね、4項「市民参加の機会の拡充を図り」というところがあるのですけれども、ここのところの「拡充」という文言なのですけれど、やはりこれが、「拡充」というのが、範囲を広げすぎてしまうことによってですね、やっぱり「ここまで」っていう線引きがないためにですね、市民の方へのフィードバックが遅れてしまったり困難となる可能性があるため、この「拡充」という文言を削除して、「市民参加の機会を図り」というような言い方のほうがいいという意味での部分で評価をBにしました。
 
▽井坂委員(日本共産党)
この間、SNSによる情報発信、議会運営委員会の中継、議案説明資料の公開など開かれた議会という点からは、情報公開を率先して進めてきたと思います。一方で、コロナ禍で一般質問を遠慮したことは課題の一つと捉えたほうが良いのではないかと考えております。評価としてはBをつけました。
 
▽安川オブザーバー(日本維新の会)
議会の透明性の確保、市民に開かれた議会としての活動は概ね出来ているとおもいますけれども、より市民にわかりやすい議会運営になるように工夫と努力というのはこれからももっともっと続けていかなければならないという意味で、B評価にしました。
 
▽藤野オブザーバー
 今回、評価はBとしました。評価の認識の捉え方がちょっと、さきほどからずっと、勘違いをしていたところがありまして、1項から5項まですべて現状と今後こうあった方がいいということを書いてしまったのですが、それはちょっといったんおきたいと思います。
 ただ、一つだけ、書いたことで、これは申し述べたいなというのは、4項についてです。請願等の意見陳述の機会を設けるなど市民参加の機会は確実に拡充されてきたと考えています。一方で、現時点では、陳述人への質疑や意見交換までは実施されていないことから、今後こうした点は条例に基づいて運用改善をおこなっていくべき必要があると考えています。

ーーー発言メモ終わりーーー

このように、おなじB評価をつけていても、意見が全く異なることからも、議論が多かったことが伝わるかなと思います。

私たちよこすか未来会議としては、ここは「変えるべきではないもの」だと考えています。

条文を変えずとも、不断の努力を重ねる余地はまだまだあるはずです。
その状況下で条文を変えようとすることは、かえって改革が後退しかねない危険性すらあります。

14年前に、この議会基本条例をつくった先輩議員たちが約2年間の議論を重ね、市長部局側の法規担当のチェックも通り、かつ専門家のチェックも通ったうえで、現在まで「市民参加の機会の拡充」という条文があり続けたことの重みも、重視すべきだと思います。

また、この議会基本条例は「議会の最高規範的位置付け」(第2条)とされています。私は、この第6条に先立つ議論の中で、何をもってこの最高規範性を担保するのか議論があってもいいのではないかという論点提起もしていましたが、ある意味では、日本国憲法のように、頻繁に変えるようなものではなく、権力側である自分たち議員の行いをしっかりと縛るために、改正のハードルを高めるということも選択肢としてはありうると思っています。

その点でも、せっかく「市民参加の機会の拡充をせよ」と、先輩たちが、自分たちを縛ってでも戒めたこの文言は、大切にしたいと思います。

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