2023年09月19日

【女性差別撤廃条約選択議定書を採択することを求める意見書】(2023年9月19日 本会議)

■請願第7号 女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める意見書の提出について
9月19日 横須賀市議会は、「女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める意見書」を、地方自治法第99条の規定により、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、外務大臣に対し、提出することと、全会一致で決定しました。
 
さらりと書いていますが、神奈川県内では中井町議会と座間市議会でしか採択されていないようで、かなり画期的です
 
9月6日 環境教育常任委員会にて、請願第7号 女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める意見書の提出について を審査し、これを採択すべきものとし、9月19日の本会議で全会一致で意見書提出を決定しました。
 

■1 選択議定書とは何か?

女性差別撤廃条約選択議定書は、女性差別撤廃条約の実効性を高めるために、1999年に国連で採択された附属の条約です。女性差別撤廃条約の締約国は189カ国ですが、同条約の選択議定書の締約国は114カ国であり、日本は選択議定書を批准していません。本体の条約の実効性を強化する付属条約が選択議定書なのに、条約を批准しながら選択議定書を批准しないという状態は、「法律は作るが遵守しないと宣言しているようなものである」(浅倉2020)[1]などの批判が長らく寄せられています。第3次男女共同参画基本計画(2010年12月25日閣議決定)にはすでに、「選択議定書については、早期締結について真剣に検討を進める」と明記され、政権の積極的な姿勢が示されているにもかかわらず、いまだに批准に至っていません。
 

■2 何が変わるのか?

 選択議定書には「個人通報制度」と「調査制度」の2つの手続きがあります。いずれも、一人ひとりの女性が抱える問題を解決するためのものです。
個人通報制度は、例えば、日本国内でなにか女性差別に遭った人が、日本国内の法令で救済されなかったときに、そもそも国の法令で救えないのがおかしい=国に問題があるというケースがあったとします。これを、女性差別撤廃委員会に通報できる制度です。また、調査制度は、ある国で重大で組織的な女性差別があるぞという情報があったときに、その国の協力を得ながら調査し、結果をその国に知らせる制度です。いずれも、女性差別の解消につながりこそすれ、誰かが困るような制度では到底ありません。
 

■3 委員会での質疑

 こうした背景を受け、以下の質疑をしました。
 
▽加藤ゆうすけ
ご所見をありがとうございます。いま、意見陳述とご所見では、第5次男女共同参画基本計画における記述に触れていただきましたが、2010年の第3次男女共同参画基本計画の時点で、すでに「選択議定書については、早期締結について真剣に検討を進める」と記されてから数えても、10年以上経過していまして。最近の国会答弁を見ていても、法務省も、選択議定書と司法権の独立が「必ずしも相いれないものとは考えていない」と答弁していたり[2]しますので、我が国の司法・立法上の整理については、機は熟しているようにも思いますが、改めてご所見いかがですか?
 
●人権・ダイバーシティ推進課長
委員のおっしゃる通り、検討も長く続いていると思います。国会の答弁をご紹介いたしますと、国の検討課題としているところは、国内の確定判決と異なる内容の見解が出た場合、通報者に対する損害賠償保障を要請する見解がが出た場合、それから、法改正にもとる見解が出た場合、実際にどのように対応するか、実施体制の整理がついていないことが課題であるという風に述べられていると認識しています。
 

■4 委員会の決定

請願を採択し、意見書を提出すべきものであると、総員賛成により決定しました。

<加藤ゆうすけが述べた理由>
 女性差別撤廃条約実現アクション共同代表の浅倉むつ子先生も論文でご指摘されていますが、個人通報制度が日本で使えるようになることで、日本が通報されてしまうんじゃないか!という不安や懸念から選択議定書自体を批准しないというのは、人権を尊重する国としては、あまりふさわしい態度とはいえないと思います。国には早期に批准を求めたいと思います。
 

■5 9月19日 本会議 伊関委員長 報告

 9月19日 本会議にて、請願第7号について表決を行い、全会一致で採択すべきものと決定しました。その後提案された意見書案第3号 女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める意見書 についても、全会一致で内容について決定しました。

 

[1] 浅倉むつ子,2020,「女性差別撤廃条約選択議定書──批准の「障害」とは何か」,国際女性, No.34,pp.135-138

[2] 第201回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和2年3月26日
○井上哲士君 OECD加盟国のうち、今、女性差別撤廃条約の選択議定書を締結していないのは、本体の条約を締結していないアメリカ以外では日本とチリ、イスラエル、エストニア、ラトビアの五か国だけということになっておりまして、締約国も広がり、そして実際に実効ある実態が出てくる中で、そういう認識に至っているんだということだと思います。
 その後、繰り返されたのが、司法権の独立との関係で検討が必要だという答弁であります。この点でも、二〇一一年に、私は個人通報制度と司法の独立について法務委員会で質問いたしました。その際に、当時の黒岩法務大臣政務官が、我が国の司法制度と相入れないという意味ではございませんという答弁をされました。
 これ民主党政権時代の答弁でありますけれども、この認識は現在も変わっていないということでよろしいですね。
○政府参考人(法務省大臣官房 審議官 山内由光君) 個人通報制度の受入れは、我が国の司法制度と必ずしも相入れないものとは考えておりません

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