2018年03月14日

■優先順位と、課題の切り分け(2018年3月8日予算決算常任委員会都市整備分科会(都市部・土木)および都市整備常任委員会)

■優先順位と、課題の切り分け(2018年3月8日予算決算常任委員会都市整備分科会(都市部・土木)および都市整備常任委員会)



3月8日は、6日の続きから都市部の審査→都市整備常任委員会(都市部)→予算決算常任委員会(土木)でした。



(都市部つづき)

■谷戸地域は、無くすの?活かすの?

前回のブログ http://katoyusuke.net/2018/03/08/180307/ でも取り上げた、「谷戸の地形を活用した地域コミュニティの再生」について、この日も委員から質疑がありました。(きになったところを抜粋)



(1)「芸術活動モニター誘致等委託 400万円」として予算計上されている部分

「委託、直営両方を考えている」とのことで、もしも市直営で行う場合は、「横須賀文化協会などへの相談、美術大学にお願いしての推薦などを考えている」と答弁がありました。



→芸術家を呼ぶノウハウを考えたときに、果たして、都市部なのでしょうか…?



(2)「空き家等施設改修(修繕)費用 600万円」として予算計上されている部分

・活用する家は戦後すぐ建てられた古い空き家等を想定している。

・水回りを直せば300万円くらいすぐにかかる。1区画300万円で、2区画のイメージで予算要求した。

・この「2区画」とは、居住区画とアトリエ区画、というイメージ。

・水回り300万円、内装300万円。

・住むアーティストが決まった段階で、そのかたの希望に沿うリフォームを行う。



→「戦後すぐ建てられた古い空き家」を、300万円かけてリフォームするのって、もったいなくないですか?それ以前に、危なくないですかね…?先日参加したとあるフォーラムでは、プロ集団がボランティアで楽しみながら修繕して、数十万円単位で抑えていました。住民とアーティスト本人参加型の楽しみながらの改修も、ありなのでは?



(3)国がコンパクトシティを目指す中で、谷戸を活用することについて

・立地適正化計画で、居住を誘導する区域を絞り込む作業をおこなう。駅からの距離・地形などにより、活性化が見込める谷戸と、徐々に低密度化させていくべき谷戸とを整理する。

・市内に、谷戸は49か所ある(※1)。

・居住誘導区域の検討は、まだこれからの議論。詳細の説明は今の段階ではできない。



→防火対策上、この整理がまず大前提にあって、その上での谷戸の利活用であることは言うまでもありません。



※1 「谷戸地域 空き家等実態調査報告書」都市部都市計画課、2011年6月

「本市では、消防局が防災上の観点から、市内49 地域を谷戸地域として指定している。消防局の谷戸地域の指定条件は、警防対策を充実強化し事前体制の確立を図ることを目的にしており、

(1)三方又は二方が山地に囲まれ通称谷戸といわれる地域で一般住宅が30 棟以上ある地域

(2)普通ポンプ自動車の進入路が一方的であり、かつ道路が行き止まりである地域

(3)地域的な主要道路に位置する消防水利から最も奥の建築物までのホース延長距離が300 メートル以上である地域

(4)一般住宅が30 棟以上密集し、かつ、最先着隊が部署する消防水利からの高低差が20m以上の地域

(5)消防長が警防対策上、特に必要と認めた地域

のうち3以上該当するものとしている。」





(土木部)

■不便な場所の交通問題、どうなるの?

複数名の委員から質疑があった「地域公共交通検討事業費」についてきになったところを紹介します。

簡単に言えば、不便な地域へのコミュニティバス導入にはどうしたらいいか考える事業 のためのお金です。



(1)地域公共交通会議の構成員について

コミュニティバスを走らせるためには、「地域公共交通会議」という法律で決められた会議を開いて、合意を得ることが必須になっています。そこで、この事業では、この会議を来年度に開く予定であるわけですが、



・構成員については、学識経験者・バス事業者・タクシー事業者・バス協会・タクシー協会・個人タクシー協同組合・市民・関東運輸支局・県警交通部。

・「市民」に誰を想定するかについて、現時点では具体的に決まっていないが、市内NPOでコミュニティバスを走らせている団体があるため、そういった団体に入っていただきたいと思っている。

・地域公共交通会議は、最終決定の場であり、NPO経験者等よく状況を知っているかたに入っていただき、地域の声に関しては、その前段で、その地域に合った公共交通を考える上で声を聞いて、それを地域公共交通会議にかけたい。



→私から「高校生の声もきいてはどうか」と質疑の中で問うてみた結果、上記のような形でした。



(2)採算がとれるのか?

地域公共交通会議の結果、交通事業者にコミュニティバスの運行を委託するか、無理か、判断するわけですが、



・運行委託が無理だとなった場合、白ナンバー(自家用自動車)による有償運送(つまり市運営のバス)となるが、地域公共交通会議で認証をされるというハードルがまずある。

・自家用自動車による有償運送であると、タクシー事業者の事業と競合してしまうので、よく相談しなければならない。



→福祉性も、事業者の採算性も大切なので、会議の議論を待ちたいところです。





3月13日 予算決算常任委員会都市整備分科会(港湾部)の質疑抜粋についても、追ってお知らせします。

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