2023年09月07日

【雑草の生い茂る場所の管理について】(2023年8月31日 一般質問その②)

加藤ゆうすけの一般質問の報告その2です。(その3までつづきます)

■雑草の生い茂る場所の管理について


今年の夏は、いつになく雑草が伸びました。

照りつける強烈な日差しと、バケツをひっくり返したような豪雨のコンボは、雑草を、ぐんぐんと成長させました。

人類はそんな雑草を前にしてあまりに無力であり、すべての道路をきれいにすることは間に合わず…という光景が全国的にも見られました。ここ横須賀市でも、同様に、道路の除草は追いついていないのが現状です。

 ケヤキ・イチョウなどの街路樹が生えていたり、ツツジなどの植え込みがあるところを「植樹帯」「植樹桝」というのですが、この植樹帯・植樹桝にある街路樹については、2022年3月「街路樹整備ガイドライン」という計画がすでに策定され、老木化する危険な街路樹への対応や、根上がりして道路通行を妨げてしまう箇所への対応などについて方針が示されています。

 一方、今回のような「雑草をどうしますか?」という部分は、まだまだ方針策定が追い付いていません。もちろん、道路維持課は、順番を決めて除草対応してくれています。頻繁に苦情が寄せられる箇所についても、都度丁寧に対応してくれています。ただ、それでも、今後日本が亜熱帯化し、日差しが照り付け、豪雨が降り、雑草がぐんぐん伸びれば、今以上に対応は難しくなります。

 ただ、当然、これを放置すれば、生い茂る雑草で見通しの悪い道路が事故の温床になったり、道路の端を走る原付バイクが雑草で転倒したり、雑草の間にゴミがたくさん捨てられたり絡まったり、問題はより大きくなります。いまこそ、方針策定が必要です。


 そこで今回は、明らかに管理が追い付かず、事故防止の観点から対策が必要と思われる植樹帯・植樹桝等については廃止し、その分の事業費を有効活用して、緑陰形成機能が期待できる街路樹整備を重点的に行う、雑草が生えやすい道路の縁石の隙間を丁寧に舗装し埋める等、道路維持管理の方法についてメリハリを利かせられるよう、改めて事業を点検してはいかがでしょうかと問いました。


■議員を経たうえで市長を務める上地市長だからこその答弁

一般質問その①に引き続き、雑草対策についても、上地市長の答弁は前向きなものでした。上地市長が議員時代に同じように頭を悩ませた課題だからこそ、根本的な解決ができるように早速指示したとの答弁でした。

ーーー以下、答弁の引用ーーーー
●上地市長
 議員おっしゃること、私もずっと議員だったので、理解しているつもりです。これ、今までのやり方を変えていかなければならないだろうということは、容易に想像できるんですね。雑草の定義が、道路使用上支障があるものと、無駄に生えているものという二種類というのもよく理解していて。
 じゃあ、これはどういう方法ならばいいのかというのは、実は、模索したのも事実です。今回を契機に、抜本的に、計画的にどうしたらいいのか、まずどういうガイドラインを作りながら中でやっていかなければならないかというのを指示しましたので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
 私も、何回も、雑草のことで、議員時代に依頼を受けて、できなくて、怒られたことがいくつかあって。議員の皆さんも大変な思いをされているので、同じだと思います。計画的、抜本的な考え方へ変えていきたいと思います。
ーーー引用終わりーーーー



ーーー質問と答弁の書き起こしーーー
(2)雑草の生い茂る場所の管理について
ア 歩道・車道の植樹帯における雑草の除草などの管理の状況と現状の対応方針について

 続いて、雑草の生い茂る歩道・車道の管理について伺います。
 歩道・車道の管理に関連したところで、樹木については、2022年3月に「街路樹整備ガイドライン」が策定されました。先ほど、日よけをつくることについて質問しましたが、街路樹は、見た目に四季を感じさせてくれるだけではなく、樹木の枝葉が真夏の日差しを遮ってくれることで、路面の温度上昇を抑え、歩行者の快適な通行を支えてくれるという点でも重要ですので、適正な管理を行いながら、街中の緑を維持するためにも、ガイドラインを策定し、整備に当たることは大変重要と考えます。また、近年、街路樹を巡っては、老木化、根上がりによる通行障害などがたびたび問題視されてきました。こうした課題解決のためにも、ガイドラインは重要であり、今後もガイドラインに沿って進めていただきたいと思っています。
 
 一方で、低木や、植樹帯から旺盛に伸びる雑草への対応は、まだ方針策定が追いついていないのが現状と感じます。順番を決めて、年に1回、ご対応くださっていることや、頻繁に苦情が寄せられる箇所について重点的に管理してくださっていることはありがたく思っていますが、気候危機の中、今後の日本の気候がさらに亜熱帯に近づくことが想定され、夏場の猛烈な雨と日差しによって、雑草が生い茂る速度は速くなると思われます。一方で、少子高齢化が進行する中、行財政も職員数も限られ、町中を年に何度も草刈りすることは現実的ではありません。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」という「割れ窓理論」の話がありますが、管理が行き届かない植栽や雑草の生い茂る場所を放置すれば、そこにゴミがどんどん捨てられ、まちは荒んでいきますし、美化の観点からも対策が必要です。

 そこで、歩道・車道の植樹帯における雑草の除草などの管理の状況と現状の対応方針について、市長に伺います。

●上地市長
 管理状況については、毎年行っている個所、市民要望、パトロールで発見した箇所をできるだけ速やかに行うよう努めていますが、すべての個所に対応できていないのが現状です。また、交差点付近の安全確保のために街路樹ガイドラインに沿って樹木を撤去した場所や、植樹帯・植樹桝のうち、すでに樹木がない箇所はコンクリート舗装や簡易な舗装で雑草が生えないよう対策をしているところです。


イ 明らかに管理が追い付かず、事故防止の観点から対策が必要と思われる植樹帯・植樹桝等について廃止し、道路維持管理の方法についてメリハリを利かせられるよう、改めて事業を点検してはいかがか。

 生い茂る雑草は、時として、事故の原因にもなります。道路の植樹帯・植樹桝については、横断歩道付近、信号機付近、交差点付近の視認性などを考慮した対応がガイドラインに定められていますが、それでも旺盛な雑草の繁殖力に追いついていないと言えます。生い茂る雑草を避けようと歩行者が車道にはみ出し、車と接触しそうになることもあります。
限られた時間・予算の中で職員の皆さんが日々懸命に対応くださっていることは重々承知の上で、市長に伺います。明らかに管理が追い付かず、事故防止の観点から対策が必要と思われる植樹帯・植樹桝等については廃止し、その分の事業費を有効活用して、緑陰形成機能が期待できる街路樹整備を重点的に行う、雑草が生えやすい道路の縁石の隙間を丁寧に舗装し埋める等、道路維持管理の方法についてメリハリを利かせられるよう、改めて事業を点検してはいかがでしょうか。

●上地市長
議員おっしゃる通り、植栽帯の雑草の取り扱いについては明確なガイドラインがなく、予算の範囲内で対症療法的に対応しているのが現状です。また、近年は、温暖化が進み季節を問わず雑草の生育が旺盛なことは新たな課題であり、これまで以上にメリハリある対応を行う必要と私も強く感じているところです。
現在は、植樹帯・植樹桝の廃止という観点では、横断歩道付近の視認性確保のための植樹帯の撤去や、横須賀中央駅付近など人通りの多い場所での簡易的な舗装による雑草防止処置にとどまっているのが現状です。これは、雑草の刈り取りに比べ、植樹帯の撤去や、簡易舗装による雑草防止処置はコストが10数倍かかってしまうことが原因となっています。しかし、長期的なことを考えれば、このような手法がランニングコストの減少につながりますので、議員ご指摘の通り、メリハリのある方策について財源を含めしっかりと検討したいと思います。


<以下、一問一答形式部分>
▽加藤ゆうすけ
そもそも「雑草」とは何か、人間側の都合じゃないか、という話にもなるのですが、やはり行政管理上「雑草」というのを定義するなら、大きく2つかなと思っています。一つは「道路利用者に対して支障となる植物」、そして「本来生えるべきではない個所から生える植物」と考えています。「道路利用者に対して支障となる植物」は早急に対応が必要だと思っていますが、このあたり、上地市長のご認識はいかがですか?
●上地市長
 私も同じです。
 
▽加藤ゆうすけ
そのうえで、なんですが、やはり低木の刈込剪定と、その合間に生える雑草、あるいは縁石と舗装の隙間から生い茂る雑草が、車に乗っていると、非常に目立つなぁと思っていますし、道路維持管理で特に手間がかかる部分だと思います。私も雑草対策を個別に部局にお願いすることがありますし、今も、「あの場所は危ないから除草してほしいな」という箇所がいくつかあります。ただ、様々な場所の雑草対策をそれぞれの議員からバラバラとお願いされるという部局の状況は容易に想像できますので、いつも申し訳なく思っています。
そしてこういった「議員からばらばらとお願いしてしまうもの」、今回質問する今の時点ですでに、道路、公園、放置自転車、上下水道に関する対応もそうですが、市公式LINEで「LINE発見・通報」の機能があるので、本当に便利になりました。この点に街路樹や雑草に関する通報も含まれるので、実際には、気づいたら個別にLINE経由で通報すすればいいのだとは思います。ただ、今回質問したのは、そもそもそういったお願いの原因を根本から無くしていこうという話で、部局の業務負担を減らして、もっと他のところに力を使っていただきたいということでもございます。だからこそ、「道路利用者に対して支障となる植物」が頻繁に生い茂ってしまうところを明示して、対策を計画して、もう議員から個別に相談はされなくて結構ですよ、という状況にもっていっていただきたいのですが、いかがでしょうか?
●上地市長
 議員おっしゃること、私もずっと議員だったので、理解しているつもりです。これ、今までのやり方を変えていかなければならないだろうということは、容易に想像できるんですね。雑草の定義が、道路使用上支障があるものと、無駄に生えているものという二種類というのもよく理解していて。
 じゃあ、これはどういう方法ならばいいのかというのは、実は、模索したのも事実です。今回を契機に、抜本的に、計画的にどうしたらいいのか、まずどういうガイドラインを作りながら中でやっていかなければならないかというのを指示しましたので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
私も、何回も、雑草のことで、議員時代に依頼を受けて、できなくて、怒られたことがいくつかあって。議員の皆さんも大変な思いをされているので、同じだと思います。計画的、抜本的な考え方へ変えていきたいと思います。
 
▽加藤ゆうすけ
ぜひ、計画的に進めていただければと思います。また、その際に、「雑草」の定義のもう一方、「本来生えるべきではない個所から生える植物」を防ぐ方法として、予防もできると思うのです。道路の縁石とアスファルト舗装部分の境界部などにできるわずかな隙間などが、雑草が生えるところになりますが、道路舗装施工のたびにちゃんと埋めておけば、少し減らせる部分もあると思っています。道路に関する事業の様々な工程で可能だと思うのです。舗装維持管理計画や、街路樹整備ガイドラインを見ても、「縁石と舗装の隙間を雑草防止の観点から埋めておこう」という視点は出てきていないので、ぜひ今後、計画、ガイドライン、検討をご指示される際に、様々な道路に関すること、道路工事に関する事業者との契約条項とかも含まれると思いますが、実効性ある雑草予防対策、ご指示いただけないでしょうか?
●藤田建設部長
 そういった個所の雑草についてもやっていきたいと思いますが、我々が感じているのは、今議員がおっしゃった、縁石と舗装の隙間というものは、舗装してすぐの段階では草が生えていないです。それは、縁石の側にも、言葉は専門的になりますが、乳剤を塗っていますので生えないのですが、年月が経ち雨とともに土がたまって、それとともに生えてくるというのが現状だと思います。そういった対策につきましても、今後考えていきたいと思います。

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