【オンライン議会をどこまで認める?どこまでなら認められる?】(2021年11月18日 議会ICT化運営協議会)

私が副委員長をつとめる、議会ICT化運営協議会の報告です。

以前、よこすか未来会議から、「コロナ以外の理由でのオンライン会議や、全員ではなく一部の委員がオンライン参加する形のオンライン会議を認めては?育児とか、介護とか、ひとつの会派全員コロナ罹患でやむを得ず病室からとか、あるでしょ?。」と提起したものの、継続課題となっていた件がありました。

結論から申し上げると、「現時点ではNG」ということになりました。

■「コロナ感染で集まれない時やむを得ず全員でオンライン開催なら差支えない」という総務省の想定

現時点の法律では、本会議のオンライン開催はNGという解釈が定着しています。地方自治法における「出席」にあたらない、という判断です。

地方自治法第百十三条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。但し、第百十七条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。

じゃあなぜ委員会はいいの?というと、「本会議における審議の予備的審査を行うもの」、つまり、委員会は本会議とは違い、あくまでも本会議で決めるための準備だから、どうしてもコロナで集まれない時のみみんなでやるならいいんじゃないですか?それ以外はまだわかりません、との総務省からの通知が根拠になっています。(令和2年4月30日・総行行第 117号・総務省自治行政局行政課長通知、および令和2年7月16日・総行行第 180 号・総務省自治行政局行政課長通知)

ここで、法律や行政に少しかかわったことのあるかたであれば、「総務省の課長通知は、あくまでも”技術的助言”であって、従うべき義務ではない!」とお気づきになると思います。もちろんそうなのですが、だからと言って、これを突破し、各議員が個別にオンライン参加することの是非というのは、「技術的にできる・できない」の視点以外に、「そうすべき・そうすべきではない」の規範的視点からも、議論しなければなりません。

ということで、今回の議会ICT化運営協議会では、改めてこの「コロナ以外の理由でのオンライン会議や、全員ではなく一部の委員がオンライン参加する形のオンライン会議を認めては?育児とか、介護とか、ひとつの会派全員コロナ罹患でやむを得ず病室からとか、あるでしょ?」の論点がでてきました。

■休むべき時は休めるようにしておこうよ が現時点の横須賀市議会の合意

冒頭、「結論から言うと個別オンライン参加NG」とだけ記しました。

これだけご覧になると、なんだ守旧的だなと感じられるかもしれませんが、当日の議論の中でも「きちんと休んでいただくのが原則で、個別のオンライン出席を求めるのはよくない」との意見が出されていた通り、個別にオンライン出席「できる」ことが転じて、体調が悪かろうが大切な人が助けを求めていようがオンライン出席「しなければならない」慣例になることを暗に危惧する、というのが、現時点での横須賀市議会の合意となりました。

この視点は、われわれの会派よこすか未来会議の中でも出ていました。

しかし、議論をした結果、それでも「会派を組まずに1人で議員活動している議員にとっては、個別の事情を抱えていても、オンライン参加できるようになっていれば、表決や審査の機会を放棄せずにすむから、できるようにはしておいたほうがいい」という視点などを踏まえて、個別のオンライン参加も認めた方がよいだろうとの結論を協議会の場にもってきていました。

■全国では、新たな動きも

ただ、個別のオンライン参加を「認める」「認めない」に関わらず、ウイルスや天災は容赦なくやってくるわけで、そもそもの法令を見直す動きも、同時に進めねばなりません。そして、先に申し上げた通り、本会議は、現状の法律の解釈では、オンライン開催不可です。

法令は、当然、地方議会が自分でいじれるものではないので、国に協議を求めるわけですが、その動きが先進議会である大津市議会からすでに出ています:

「【REPORT】大津市議会 オンライン本会議の実現に向け、総務大臣・デジタル改革担当大臣へ要望」2021.07.12

https://gnv-jg.d1-law.com/article/20210712/29534/

大津市議会はもともと改革をどんどん進める先進議会として地方行政・地方議会の世界でとても有名なのですが(私も行ったことあります)、今回、昨年のコロナ禍第1波の際に庁内クラスター発生で市庁舎閉鎖という前代未聞の危機に陥ったことが、さらに改革への動きを加速させています。

また、先ほど「総務省の課長通知は、あくまでも”技術的助言”であって、従うべき義務ではない!」と記しましたが、現に大阪府議会は、全国で唯一、この通知を乗り越えて「育児、介護等のやむを得ない事由により委員会の開会場所への参集が困難な委員からオンラインを活用した委員会の開会の求めがある場合」にオンライン会議できますと規定しています。

このような動きの中で、今後も「そもそも議会のありかたって?」という部分についても、議論をしていきます。