2021年09月29日

【139万円の動画…?】(2021年9月27日 生活環境常任委員会(予算決算常任委員会 生活環境分科会))





決算審査についての報告です。





昨年度(2020年度=令和2年度)の決算に関する議案は、この2021年(令和3年)9月定例議会に提出されます。なので、9月定例議会のことを俗に「決算議会」と呼んだりもします。





■リサイクルプラザ見学コース案内映像作成委託料 139万円について





横須賀市では、小学校4年生になると市の資源ごみリサイクル施設「アイクル」を見学します。持続可能な社会づくりについて学ぶ大切な機会です。ただ、コロナ禍で、これも昨年度中止になりました。





決算資料を審査していたところ、これが中止になった代わりにDVDを作成するに使用したと思われる項目「リサイクルプラザ見学コース案内映像作成委託料」を見つけたのですが、その金額が139万円だったため、質疑しました。

















ここでちょっと行財政の仕組みについて説明したいのですが、たいていの場合、自治体は年度末に俗にいう「整理補正」をします。たとえば、2020年度(令和2年度)予算の場合は、2021年(令和3年)3月定例議会に補正予算に関する議案を提出して、当初予算で想定したほど使わなかった金額について減額したり、予定していた工事が年度内に終わらないため翌年度に繰り越したり、といったことを行います。





なんでこんな「予算を補正し減額して議決する」という持って回ったことをするのかというと、地方自治体の財政には「会計年度独立の原則」といって、「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに充てなければならない」ことに法律(地方自治法)でなっているからです。予算は議会で議決して決定するものであり、勝手に今年使うお金を来年のお財布から持ってきてもいけませんし、今年使うはずだったお金を来年に貯金しておくこともいけません。





また、使う予定のなかった事業に勝手につかうのも原則だめです。やはり法律(地方自治法)で、「歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない」とあります。





ただ、原則があれば例外があるわけで、これは「各款の間又は各項の間において」とあるとおり、簡単にいえば、それより細かい項目(目・節といいます)であれば、流用、つまり「当初は想定していなかったけれど、現場で判断して、別のことに使いました」がOKとなります。





なので、最初に戻ると、見学会が中止になった代わりにDVDを作成するに使用したと思われる項目「リサイクルプラザ見学コース案内映像作成委託料」も、OKなわけです。それはそうです。市役所の人が何かするたびに毎回すべて議会にかけなければならないのは、あまりに非効率ですから。





ただ、今回、





・急遽決まって動画を作るのに、139万円・・・?





・というか139万円の動画ってどんななんだ・・・?





・で結局それは小学生もう観たのか・・・?私みたことないけど・・・。





と、いろいろと浮かぶ疑問に対して資料からは答えが見いだせなかったため、質疑しました。予算になく、議決にかからない支出というのは、議会からのチェックがどうしても執行前にかけようがないため、せめて決算でしっかり振り返り、議事録に残すということです。





■そして、139万円の動画とは・・・





質疑の結果、139万円の支出によって制作されたのは、普段の見学では入れない部分も撮影した約20分間の動画であり、DVDにして今年8月に全46校に配られたことがわかりました。





ただ、youtubeにあげて市民に広く見てもらう発想はなかったようです。配布して終了ということにならないよう、広く活用することを求めました。そもそも私もまだ見たことがないですし。





過去に作成したアイクルに関する動画はすでにある中で、今回急遽139万円で制作された動画ですから、今後公開されたら紹介したいと思います。









――――以下、質疑の書き起こし―――





●説明資料p.21 2 循環型都市推進費





▽加藤





今のアイクルフェア中止にも関連する部分ですが、令和2年度はコロナ禍の影響で人が集まる事業の実施がかなわないことが多く、啓発事業の類には厳しい一年でした。循環型都市推進費全体で当初予算で14,873千円計上されていたものが、決算では6,897千円余ですので、予算決算の差にも表れています。ただ、内訳をみていくと、例えば(2)減量化・資源化啓発事業 はむしろ決算額は予算額よりわずかですが多くなっています。この、①分別パンフレット作製経費 が予算時点より、決算が多くなっていますが、どのような背景があったのでしょうか?





●資源循環政策課長





ごみと資源物の出し方パンフレットは、令和2年度は、令和元年度作成の22万部で賄う予定が、パンフレットが不足した。分別がかわってパンフレットの需要が増したので、11月に7000部、令和3年3月に7000部それぞれ増刷した経緯があります。





▽加藤





分別についても影響のある年だったので理由はわかりました。それから、⑨その他事務費の業務委託料374千円は、当初予算になかったものかと思いますが、こちらの背景はいかがでしょうか。





●資源循環政策課長





令和2年6月から粗大ごみのネット受付開始に伴い、横須賀ごみ分別アプリの内容修正をしたもの。













▽加藤





そして、p22 (4)小学生のリサイクル学習事業 こちらは、新型コロナウイルス感染症の影響により中止されたとございました。事務概要p184にもありました。令和3年3月定例議会の整理補正の際にも、当初予算の6,864千円から△2,864千円減額補正して、補正後の金額を4,000千円とすることを議決しました。そして、もう一度決算説明資料のp22に戻りますと、結果的に1,399千円の支出だったわけですが、この、補正後の金額が4,000千円で、決算額が1,399千円だったことの差の理由は何ですか?





●資源循環部長





議員おっしゃる通り、減額補正し、当初からDVDを予算にはなかったが作ることを考えて、その分だけ減額補正して、残った分をDVD作成に使ったという経緯でございます。





▽加藤





DVDというお話も出まして、1,399千円は決算資料の通り ②リサイクルプラザ見学コース案内映像作成委託料 だったのですが、こちらは令和3年3月定例議会の際に、「今年度見送りという決断をした後に、急に動画の製作について取り組んだものですから」と答弁をいただいていたので、おそらく学習機会が失われないよう急ぎご対応くださったのだとは思いますが、委託先の選定はどのようにおこなったのでしょうか。





●広域処理センター所長





前年度アイクルの所長だったので細かいことになりますから、私から直接お話をいたします。委員おっしゃったように、コロナ禍で残念ながらずっと続けてきた小学生の見学を中止せざるを得なかった。このことを心を痛めておりました。特に、入学式、卒業式でも話題になったように、2年度に該当の小学校4年生から機会が失われるのをさけたいので、DVD作成を急遽考えました。時間がない中で、年が明けまして、どのくらいのものをつくるか一緒に取りまとめながら、いろいろな業者、インターネットであたったのですが、なかなかいいところが少なくて、その中で、折り返しメール、それから電話で、一緒につくっていただけるような構想を修正いただける事業者がたまたま1社みつかったものですから、そこと一社随意契約させていただきました。





▽加藤





ということは、私も横須賀市電子入札システムのwebサイトで、過去の入札結果で、資源循環部の令和2年度の案件を検索をかけてみたところ、総数が26件ありましたが、ひっかからなかったのでおそらくそうなのかなとおもっておりました。この作成した映像は、どのくらいの長さで、動画としては何本あって、いつ完成して、どのように活用されましたか。





●資源循環施設課長





DVDの内容は、見学コースをDVDにしたもので、時間は約20分。できあがりは2021年(令和3年)3月末。それを、部内で中身を確認し、夏休みに入ってから、教育委員会の方とそのDVDの件で打ち合わせをした。教育委員会からは、実際に見学コースを回らせてほしいという話と、その際にDVDをみせてほしいと話があり、夏休みに実際に一緒にアイクルを回った。併せて、小4担任代表にも見学コースとDVDを夏休みに観てもらった。現在、2021年8月20日の日に、小学校46校にDVDを配布した状況で、いまのところそこで終わっています。





▽加藤





詳細にありがとうございます。この映像、事務事業の総点検票「小学生のリサイクル学習事業」を見ると、「見学会に代えて、市立小学校に配布するためのリサイクルプラザ見学コース案内映像を作成した」とあって、おそらく46校に配布したということなのだと思いますが、DVDを46枚作ったという理解であっていますか。





●資源循環施設課長





委員おっしゃられた通りです。





▽加藤





作成した案内映像ですが、現在、自由に市民が誰でも閲覧可能な、市のyoutubeにこの動画はのっていますか?





●資源循環施設課長





現段階ではしておりません。





▽加藤





それなりの金額で制作しているとわたしは感じますが、事務概要に、こちらの映像作成に関する記述、DVDを制作したことに関する記述が見つけられなかったのですが、もし、どこかにありましたらご教示ください。見落としていましたら申し訳ないです。





●資源循環施設課長





特に記載はありません。





▽加藤





今も金額について述べましたが、この金額の妥当性について、市民感覚でと申しますか、動画を1本制作し、139万円というのは、どうなのかと。先ほどもうかがいましたが、整理補正で△2,864千円減額補正して、補正後の金額を4,000千円とすることを議決したんですよね。ということは、その時点では、動画制作に4,000千円見込んでいたのでしょうか?この、1,399千円の背景を伺いたいです。





●広域処理センター所長





140万円の委託の内訳は、ネットを見ると、実は、動画制作委託にはものすごい幅がございまして。ものすごく安いところから、高いところまでございます。内容は一概には言えず、例えば、構成・脚本をやってもらえるかというところです。今回、構成はある程度我々で作ったのですが、どうしてもプロの手によるカメラワーク、コンテンツ、ここでカメラをとるとか、ここで流すとか、ズームするとか、そういったことはどうしてもできませんでしたので、そういったところまで下見をしていただいて、そこらへんからつくっていただいたので、もしかしたらそこらへんが高く感じる要素になるのかとはおもいます。ただ、制作にかなり入っていただいた委託でした。





▽加藤





当該動画を拝見したことがないので何とも申し上げられないのですが、この新たに作成した映像の新規性について伺いたいのですが、以前から「リサイクルプラザに直接バスでお越しいただき、現場に来ていただいて、中の施設見学をして、紹介DVDを見てもらう」というながれはあったと過去の答弁で伺っていたと思うんですね。そこで見ていただく紹介DVDというのも私内容はわからないのですが、そこで見ていただく内容と、今回の内容は何が違っていて、以前からあるものではだめだったのかという疑問がいま私の中にあるのですが、こちらはいかがでしょうか。





●広域処理センター所長





おっしゃることもごもっともと思います。委員がおっしゃったほうのDVDは設立当初につくられたものと伺っており、だいぶ古い。今回のDVDの内容の大きな特徴は、建物の中、見学者が普段見る視点だけではなく、工場側の普段危険で入れないところから、直接ぎりぎりまで近寄って、直接いろいろな設備を写し、なるべく資源ごみがアイクルに届いてから、処理されて出るまでを時系列でリアルにやっていただいた。普段見られない映像であるとか、そういったものが中に入っていると思っております。





▽加藤





普段見られない映像がというところで理解はしましたが、例えば、過去にアイクルに関する動画はつくっていたんですね。設立当初のものが古くなったのはわかります。ただ、平成29年度のYOKOSUKAほっとナビでアイクルの動画2つ作ってまして、それもちろんケーブルテレビにおねがいしていますから、他の動画もまとめてですから、一括けれど、本数で割れば139万円にはならなかった。1本5分の番組で、プロのリポーターがナレーションして放送までやってというところだったので、今でもyoutubeで見られますし、今回46校に配布されたものの利用も考えねばならないと思うのですが、単純にこの、過去につくったものが使えたのでは?と思いますが、そういう検討はなされなかったのですか?





●広域処理センター所長





過去のものを否定したつもりはないのですが、今回は実際に主額4年生にきていただけなくなったことを重く見て、より鮮明な学習をみていただいて、小学校の学習に役立てていただきたい思いがございまして、工場の中に入ることを重きを置きました。実は、5人くらい限定して裏ツアーをしたいおもいはあったが、今回DVDにした。もう一つ、本数ですが、市内小学校46校に配布したが、今回のDVD映像は著作権が横須賀市に帰属するよう契約しております。カラのDVDを買えば、そのつど全部作り出せるようになっておりますので、コストもそのように考えております。





▽加藤





日頃啓発事業に向き合ってくださる現場の職員のかたの感覚ですので、それ自体は尊重したいと思っています。ただ、やはり予算あっての事務執行なので、予算と異なる部分については決算でしっかり伺いたく思いますし、作ったものはしっかり生かしていただきたい、つまりせっかく内部まで見られるようなものができたのであれば、youtubeにのっけておけば、小学生のあこがれの職業がyoutuberである時代に、DVDだけ学校においてあるのは非常にもったいないので、そういった部分は振り返って、次年度以降にしっかり生かしていただきたい。この点は最後に本件に関するご所見をいただきたいです。





●部長





言い訳になってしまうのですが、今回コロナで小学生の見学がだめになり、急遽つくりました。確かに宝の持ち腐れじゃないですけれど、そのまま終わらせるのであればこれだけお金かけて無駄になってしまいますので、youtube、ホームページ等乗せられるものであれば、乗せていって有効に活用していきたいと思っています。










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