【第6次横須賀市男女共同参画プランの策定に当たっての意識調査アンケートの実施について、保育士へのジェンダー平等に関する啓発について】(2021年6月9日 生活環境常任委員会 その2)

 委員会開会の一週間ほど前、男女共同参画及び多様な性の尊重に関する審議会にて、第6次横須賀市男女共同参画プランの策定に当たっての意識調査アンケートの実施について審議が行われていました。

 今年度私が所属する生活環境常任委員会は、防災、ジェンダー平等、上下水道…などを所管しており、アンケート実施に関することなどいくつか質疑しました。

■1 第6次横須賀市男女共同参画プランの策定に当たっての意識調査アンケートの実施について

●1 意識の調査ではなく、実態を調査すべきではないか?

 幾度となく「制度を変えて、意識を変えよう」と主張してきましたが、今回もそれに近い提案です。アンケート項目のつくりかたが、「実態調査」ではなく「意識調査」の側面に強く寄っており、ジェンダー平等の推進を阻むものが具体的に何なのかが明らかにならないのでは?との観点から質疑しました。

 具体的には、各町内会自治会に性別で分けられた役割(例:婦人部、女性部会)があるのかの調査に加え、なぜそういった役割が用意されているのかの理由も併せて問うことで、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を生み出す原因を無くしていこうと提案しました。

 課長からは、審議会の意見も聞きつつ設問の追加を前向きに検討くださるとの答弁で、少しほっとしています。

●2 サンプルの偏りを無くすために若い人に取り出しで調査すべきではないか?

 自治体アンケートあるあるですが、「アンケートとると、回答者が高齢者に偏る」問題です。高齢の方がたくさんの回答を寄せてくださることが問題なのではなく、より正しい推測統計にならないという点で問題があります。

(※小見出しに掲げた「若い人に取り出しで調査」というのも、正しい推測統計を行う上では不適切です。ランダムではなく、選んで調査しちゃっているからです。私がここで真に言いたいのは、若い人の意見をもって聞いた方がいいのでは?ということなので、便宜上こうしています。)

 また、「ものすごくジェンダー平等意識が高い人」か、「ジェンダー平等に猛烈に反対したい人」からの回答ばかりが集まる可能性もあります。

 こうした偏りを防ぐには、有り体に言えば「とにかくまんべんなく回答が集まるようにがんばる」という解しかありません。ただ、「とにかくがんばれ」ではあまりにも漠然としていますから、今回は「ぜひ市教委にアンケート調査の折には協力をあおぐことは、挑戦してもいいのではないか?」と提案しました。

 今回のアンケート調査に間に合わせて準備するのは難しそうな答弁でしたが、本会議でしきりに教育長が、ジェンダー平等という大きなテーマの中で考えねばならないことが様々あるとは強調していたので、きっと今後取り組んでもらえるものと願っています。

■2 市立保育園の保育士へのジェンダー平等に関する啓発について

 今定例議会の本会議一般質問で、ジェンダー平等に関連するテーマとして「生命の安全教育」に関する活発な質疑が教育長と交わされました。

 一方で、保育の現場に対するジェンダー平等に関する取り組みはどうなっているのだろうかと、質疑しました。

 現行の男女共同参画プランには、保育士に対する取り組みは記載があまりないため、まずは市立園の保育士に対する研修の中で取り組むことを提起したところ、担当部局(こども育成部)と相談し検討すると答弁がありました。

——-以下、当日の質疑メモ——-

■1 第6次横須賀市男女共同参画プランの策定に当たっての意識調査アンケートの実施について

●1 意識の調査ではなく、実態を調査すべきではないか。

▽加藤

先日の男女共同参画及び多様な性の尊重に関する審議会で、審議事項として「市民意識調査アンケートの調査項目の確認について」あげられていた。まず伺いたいのが、これは、実態調査ではなく、意識調査なのか。

●人権・男女共同参画課長

意識調査は、名称としては意識調査ですが、市民の生活実態を問う設問、考え方を問う設問両方含んでおり、実態も意識も両方調査する設問となっております。

▽加藤

両方を問う内容ではあるのですが、審議会での資料を見てみると、市職員向けのアンケート・市民向けのアンケート・町内会自治会向けのアンケートの案それぞれをみていても、「考え方」を問う項目が多いと印象を受けました。意識調査という事は、現在の市民の意識を踏まえて今後を考える、言い換えれば、意識に合わせた次期計画の策定ということになるわけですが、考え方を問う意味もありますが、やはり「どういう実態か」、もう少し踏み込んで言うとジェンダー平等が進まない結果、現実に起きている様々な具体的事例に対して聞いていく部分を強くしたらよいのではないかと思いますが、いかがですか。

●課長

実態把握も重要です。ただ、人は意識によって行動が変わるので、意識もしっかり把握して、次期プランの施策の柱を立てるうえで、市民が何を考え、感じているのか、何を望んでいるのかしっかり把握が必要だと考えています。また、現行プランでは、性別役割分業意識などの意識の評価指標として設定しているので、現行プランの評価をするためにも、これまでの調査との意識の変化を調査することも必要と考えます。

▽加藤

評価指標として経年で変化を追う重要性は私も感じます。継続的に取り組んでいただきたい。しかし、意識が変わって行動が変わるのか、行動を変えることで意識が変わるのか、どちらのフィードバック効果もあると思うんですね。現実に起きている課題の解決に向けて、具体的な施策の数が増えるのか質が上がるのかあると思いますが、それをしっかりアンケートで問うて、実際に困っていることに対して施策を講じ、それを計画で位置付けて段階的に行い、次期計画策定に際しアンケートを問い、課題は何ですかとやることで、目指すべき目標はより明確になると思う。この点含め、もう少し実態調査を強めてもいいのでは?

●課長

委員おっしゃる通り、実態からみえるところもあるとおもいます。ただ、今回、意識と言う視点をしっかり把握し、施策に生かしたいという面もございます。いくつか、実態、たとえば育児休業の取得状況、家事を担う状況などの実態を問う設問も含めているので、しっかり見ながら次期プランに実態面からも生かせるようにしたい。

▽加藤

実態と言う部分で、今回、町内会自治会向けのアンケートもあるわけですが、町内会自治会で、「婦人部」「女性部会」のような、性別で分けられた部門を持っている個所はどの程度あるのか。

●課長

女性だけを構成員としている部門を持つ町内会自治会は、平成28年度調査男女共同参画に関するアンケートで、全体の49.2%です。

▽加藤

49.2%、約半数ですね。もちろん、地域住民の地縁団体なので、官から言うべきではない部分があるのは間違いないと思います。国の第5次男女共同参画基本計画でも、「地域の実情に応じて」というように、あくまでも地域の実情を見ながらという態度をとっています。

一方で、長年にわたって女性の会長・役員が少ない背景には、「女性は補佐的にふるまうべき」と無意識の偏見、最近はアンコンシャス・バイアスと呼ばれたりしますが、これが刷り込まれる構造があり、具体的にひとつずつその原因を解決しなければ、ジェンダー平等はやってこないと思うし、実際そういった構造を敏感に感じ取り、敬遠して若い人が地域に入らなくなるというのは現実あると思います。なので、性別で分けられた部門や役割を有している町内会自治会について、それがなぜ性別で分けられているのかの理由も問うた方がよいとおもうがいかがでしょうか。

●課長

今回の町内会・自治会等への調査では、地域活動等で性別で役割をわけているケースがありますか?との設問は用意していますが、理由も併せて問うことでより実態を深く把握できると思います。審議会の意見を聞きながらですが、設問の追加は検討したいと思います。

●2 サンプルの偏りを無くすために若い人に取り出しで調査すべきではないか。

▽加藤

無作為抽出はサンプルを偏りなく抽出するうえでは大切ですが、結果として必ず回答者に年齢の偏りがでるのが現実だと思います。

 参考に、都市戦略課が直近で実施した市民アンケートの回答者の傾向を見てみたのですが、15歳-89歳から3000人無作為抽出して、回答者に占める割合として15-19歳が5.0%、20-29歳が9.2%。一方で、60-69歳が15.8%、70歳以上が31.7%。回答者の半数近くが高齢の方となっていた。しかもこれは、郵送に加えてインターネット調査を実施するようになってようやくこの若者割合になったわけで、郵送のみだったころはさらに低かったです。

この傾向を、今回の意識調査アンケートにあてはめて推測しますと、実際に直面する困難な出来事の実態把握や、それを改善するための取組みのヒントにしたいのに、ジェンダー平等への意識がものすごい高い人や、逆にジェンダー平等に強い反対意見を持つ人の意識が回答としては多く集まり、しかも属性は高齢の方に偏り、何を目指すための材料にしたらよいのかが少しぼやけてしまうのではないかと思います。

言うまでもなく、若い年齢層でアンケートの回収率が下がることを危惧しているのですが、何か工夫はあるのでしょうか。

●課長

現行プラン策定時では高校生意識調査アンケートとして総合高校生徒を対象におこなった。学校調査で回答率は高かったが、特定の学校に偏る懸念も同時にありました。そのため次期プラン策定では個別アンケートではなく、対象年齢の下限を20→15歳とした経緯があります。委員おっしゃる通り若年層の回収率が低い懸念はありますので、通常のはがきでの協力をお願いするのに加えて、ツイッターでアンケートの回収をお知らせすることも考えている。若い人の意識把握はジェンダー平等を進めるためには重要だと思っておりますので、プラン策定のアンケートとは別に、若年層の意識調査をすることを、プランの計画のなかに何か取り組みとして含むことができないかと今考えてみたいと思っています。

▽加藤

ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思うご答弁をいただけました。事務執行上、今年度のスケジュールに組み入れることが難しいと思うが、今回中学生を対象とした男女共同参画啓発冊子の改定作業も同時に審議会で触れられていて、ぜひ、実際に冊子を受け取る中学生や高校生にアンケートとってほしい気持ちはあります。

副市長も教育長も今定例議会の本会議一般質問で、ジェンダー平等という大きなテーマの中で、考えていかなければならないことがあるとは強調されていたので、ぜひ市教委にアンケート調査の折には協力をあおぐことは、挑戦してもいいのではないか?

●課長

先ほども申し上げました通り、若年層へのアプローチはジェンダー平等実現には欠かせないと思っています。今回調査では難しいが、いま委員からあった通り、中学生冊子をつくる年度でもありますので、取り組みの中で、どのような手法でアンケート、意識を調査できるか、教委と連携し進めたいと思います。

■2 市立保育園の保育士へのジェンダー平等に関する啓発について

▽加藤

今定例議会の本会議一般質問で、ジェンダー平等に関連するテーマとして「生命の安全教育」に関する活発な質疑が教育長と交わされたのですが、一方で、保育の現場に対するジェンダー平等に関する取り組みとしては、課としてどのようにお考えですか?

●課長

市長答弁にありましたとおり、保育園や幼稚園のこどもたちにとっては、まずは自分のからだをまなぶこと、それから自分自身や他者を大切にすることを早くから学ぶことが必要だと思っています。それとともに、保育現場では子どもと深く関わる大人、保育士へのジェンダー平等に関する啓発もとても重要だと思っております。

▽加藤

深く関わる大人への啓発も重要とご答弁いただきましたが、広報誌NEW WAVEを配っての男女共同参画に関する学習機会の提供、というのは現状も保育園に対して実施されていると思いますし、教職員に対する意識啓発は計画の中にもあるが、保育士に対しては取り組みがもう一歩ほしいところです。先ほど触れた「生命の安全教育」の教材は、文科省のページを見ると幼児期のものもある。より広くジェンダー平等に関することを、全体感をもって考えるという点では、「生命の安全教育」で取り扱っているものだけでは到底足らないところはあります。目指す範囲はかなり広くなりますが、まず市立園であれば、保育士への研修と言う形で早期に取組み始められるのではないかと思いますし、ぜひ担当部局とも連携し、実施の検討や具体的なテーマ選定、一括で単年度に行うのは難しいでしょうから、テーマ選定にあたってほしいが、いかがでしょうか。

●課長

おっしゃる通り、これまで、当課事業で市立園保育士対象の研修はありませんでした。先ほど申し上げた通り、保育現場では保育士のジェンダー平等に対する意識が子供たちの意識の形成にも影響すると考えていますので、 まずは市立園の保育士向け研修を、研修内容も含め、担当部であるこども育成部と相談しながら考えていきたいと思います。

■最後に…

▽加藤

今定例議会では「ジェンダー」「ジェンダー平等」という言葉が副市長からも教育長からも繰り返し出てきて、取り組みが前に進むことを感じられた。最後に、部長から、部として考える「ジェンダー平等」の全体像について、ご所見いただいて終わりにする。

●市民部長

今回本会議でいろいろと答弁ございました。我々としても、ジェンダー平等がいきなり飛躍的にわっと進むという風は考えておりませんで、地道な活動が必要だと思っております。一方で、地道な活動だけしていればいいわけではございませんので、今回様々なご提案いただいた市民アンケートについても、せっかくのアンケートの機会ですし、審議会でも昨年度から積極的に意見をいただいております。まずはいいアンケートさせていただき、それに基づく計画をつくること、併せて実効性のあるジェンダー平等の推進の仕方を考えたいと思います。