2018年09月11日

【よくわからない スクールコミュニティ(2018年9月6日 教育福祉常任委員会その2)ほか】

「スクールコミュニティ整備事業」というものが、本年度の事業にあります。

これは、市民部(=生活環境常任委員会)の所管なのですが、学校が関連しますので、このタイミングで質問をしました。

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  • 所管事項に関する質問


①スクールコミュニティ整備事業

加藤1)市民部地域コミュニティ課の事業だが、学校施設が深くかかわる事業となる。教育委員会側の窓口はどこになるのか。

  • 教育政策課長 教育政策課となる。




加藤2)教育委員会側として現在把握している状況は。

  • 教育政策課長 市民部中心だが、庁内関係課の会議や、学校とも話をして、地域を含めて検討会議がはじまっている。




加藤3)横須賀再興プランで、本年度はモデル校の選定で、次年度から教室などの改修とある。世代間交流の仕組みとして、コミュニティ機能を集約することが目的とおもうが、学校施設のハード面での改修も含まれてくるのか。スクールコミュニティ整備事業がどういったものになってくると、学校側、教育委員会側は説明を受けているのか。

  • 教育政策課長 まだ、どういったことができるのか、入口のところであり、全く内容が決まっていない。教育委員会としては、子どもたち、先生方、地域のかたもふくめ、子どもたちの応援団になってもらえないかと思っている。市民部が今後中身を検討していく。まだハード面まで話は至っていない。




加藤4)「子どもたちの応援団」とあったが、コミュニティ機能の集約の上でのスクールコミュニティなのか、あるいは学校を応援する側面が強いのか。どちらなのか。

  • 教育総務部長 教育委員会としてはこどもたちのために、先生の働き方改革もあるので、先生の負担がない形で整備したい。市民部としては、地域の皆様の力でコミュニティをつくりたい。そのあたりで融合していきたい。






うーん、わからない。



翌9月7日に行われた生活環境常任委員会の質疑もみてみましょう。




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市民部の説明資料によれば、スクールコミュニティの定義は

「地域において歩いて行ける『小学校』という場に着目し、『子どもたち』をキーワードに地域のコミュニティ力を高めていくこと」

とあります。やっぱりわかりません。教育委員会からの答弁とほぼ同じく「学校の応援団」になってもらう、という表現もありますが、わからない。

委員との質疑を見てみます。





  • 地域コミュニティ支援課長 スクールコミュニティとは、横須賀市独自で創った言葉であり、一般的な言葉ではない。なにができるかは関係部局とも相談しながら決めたこと。小学校という場に着目し、子どもたちをキーワードになにかコミュニティをつくっていけないか、高めていけないか考えて作りました。


▽葉山委員 今一つ理解できない。「コミュニティスクール」というものは、国のほうで展開しているものがあると思う。スクールコミュニティの定義そのものを今きいてもわからなかったが、「コミュニティスクール」との違いはあるのか。

  • 地域コミュニティ支援課長 国の示すコミュニティスクールは教育目標を共有し、学校が主になり、地域と連携を図るもの。一方、スクールコミュニティは地域の側面から学校には着目するが、入り口は地域コミュニティから入っていく。


(中略)

▽葉山議員 人と人とのつながりの中で地域社会の中で色々な人を集めると。具体的なものは決まっておらず出てこないのだろうが、地域で、既存の組織を構成する同じような人が集まってくるだけではないか。どんな人材を求めているのか。

  • 地域コミュニティ支援課長  委員おっしゃる通り。既存の組織・団体のかただけではなく、新しく、子どもたちというキーワードで興味を持っていただく世代の方たちを掘り起こしというか、一緒に輪の中に入っていただいて、模索していきたい。


▽葉山委員 だからますますわからない。それって子供たちの世代で言えば、PTAという組織があり、一つのスタイルがあるが、その活用なのか。それとも、新たな保護者を活用するのか。PTAでは不十分なのか。

  • 地域コミュニティ支援課長  今回地域のかたと意見交換をしている中では、PTAのかたも参加いただいているし、学校評議員のかたも参加いただいている。地域ぐるみで、何をしていきましょうかというところも一緒に話し合いをしている。スタートさせた。


▽葉山議員 ということは何をするかは全くの白紙ということでいいか。

  • 地域コミュニティ支援課長  そうだ。今までは市が投げかけをするスタイルだったが、一緒に考えていただくところから一歩スタートしたところ。


▽葉山委員 一緒にやっていこうと言われても、何をやっていけばいいかわからない中で集められても具体が見えなくて困ってしまうだろう。これから先、学童の問題、全児童対策などを、地域ぐるみで学校を協同体としてやっていくのだと見えて来れば協力のしようもあるだろうが、きいているとそういことでもなさそう。

●市民部長 市民部としてスクールコミュニティは、コミュニティの再生に着目している。これからどんなことをやっていくかプロセスも含め、地域の中でのやっていきたいことを創っていくプロセスの中で結びつきを強くしていきたい。これまでのような町内会活動に参加することはハードルが高く時間が無いということがあるのだと思う。小学校は誰もが学んだ場であり、地域の色々な拠点として既にある場所。多くの人にとって、子どもの為ならばいっしょに考えよう、一肌脱ごうということがあるだろう。だれが登場するのか見えないところは申し訳ないが、これまでモデル地区でお話をしていく中で、これからつくっていくものが、プロセスの中でも地域力を高めていき、それを通じて地域を再生・発展させたい。




この他の委員からも質問がありましたが、結局のところ、

「スクールコミュニティについては、現時点では、白紙」ということでした。

「学校を地域の中心にしていこう」との思いには共感できます。少し広い中学校区ではなく、小学校区を単位に考えることも、お互いの顔が見えやすいので理解できます。

ただ、何を目的としてやるのかだけは、早急にはっきりさせてほしいです。既に、地域で活躍する町内会・自治会役員や、民生委員などは手一杯なので、既存の組織の役割と重なるようなものがもう一つできるだけ…となっては困ります。

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