2018年02月18日

【歴史資料の保存と公開の現場で】

【歴史資料の保存と公開の現場で】

千代ヶ崎砲台跡見学会が2月17,18日の二日間限定で開催されています。

横須賀市教育委員会の管理となった千代ケ崎砲台跡では、発掘作業が進められており、完了後の一般公開が期待されていますが、現時点ではこのような特別な機会でのみ、見学が可能です。

というわけで、歴史資料の保存と公開については、一般質問でも取り上げた私としては関心が深いので、行ってきました。千代ケ崎砲台跡の詳細な説明は他に譲るとして、今回は、「どうやって保存・公開するのがよいのか」イメージしながら、歩いてきました。

■いらしていたかた


現地に1時間半ほどおりましたが、男性8割で、見た感じ65歳以上7割、という印象でした。

■現地までのアクセス


到着する頃には、汗だくです。と、いいますのも、現地までは最寄りのバス亭から800m弱歩くのですが、史跡は砲台なので、高いところにあります。急な坂道を上った先に現場があるので、今日の正午頃のうららかな陽気では、到着する頃には皆さんかなり汗ばんでいました。

また、千代ケ崎砲台跡へと続く坂道の途中には民家があります。史跡が本格公開されると、今までほとんど住民と工事関係者しか通行しなかった道に、歴史愛好家が往来することになります。周辺のかたと、いらっしゃるお客様の双方に、丁寧な説明が必要ですね。

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■砲台発掘現場案内(観測所跡など、地上部分)


「観測所」は、榴弾砲(大砲ですね)を船めがけて撃つときに、どこに撃てばいいのかを決める人がいるところです。千代ケ崎砲台に設置されていたのは、榴弾砲といって、やや放物線を描いて弾を飛ばすものなので、砲台から直接海が見えないので、観測所で目標を決めて、それを撃つ人に伝えて、撃つ、というわけです。

ハンドマイクで話すガイドさんと、腰にスピーカーつけて話すタイプのマイクで話すガイドさんといらっしゃいましたが、5mくらい離れると、聴こえません。海沿いの丘の上なので風が吹き曝しで、かつ他に何かさえぎるものがあるわけでもないため、他のお客様が話し始めると聴こえないですね。また、発掘途中なので仕方ないのですが、海風に埃が舞って、皆さんかなり目が痛そうでした。

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あと、気づいたのは、ガイドはいいから放ったらかしておいてほしい、という雰囲気のかたも見られたことですね。ただ、言わずもがなですが、ガイドさんのお話は、砲台に関する情報を網羅していて、歴史を理解するためには有意義なものでした(少なくとも私にとっては)。また、来場する年齢層が(目視での推測ですが)高めで、ガイドとの交流を楽しそうにされているかたの姿を見て、一般公開の際も、人間のガイドによる(=自動音声ガイドではないという意味)ツアーが、やはりいいのかなと感じました。なお、今回は、地下施設(砲台の、弾薬庫などの部分ですね)のガイドツアーをNPO法人よこすかシティガイド協会の皆様が行っていました。

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■一般公開するときには・・・



  1. 現地までのアクセス。今は1時間に1本の浦賀、久里浜からの路線バスを利用した徒歩移動以外には、手段がありません。駐車場も、細い道を先に少し進んだところに燈明堂駐車場が数台分、という感じなので、これ以外に、例えば観光バスが入ってくるようなことがあれば、駐停車場所なんかも考える必要がありますね。(観光バスの場合、近くに駐車場が無くとも、停車さえできれば、乗客を降ろして、いったん離れた後、決められた時間に戻ってくることはできそう)

  2. 沿道の民家への説明。必須です。

  3. 歴史遺産のガイド方法。そして、ガイド料金設定。

  4. 歴史遺産の保全方法。今日も、発掘途中の場所に誤って入ってしまうかたの姿をみましたが、くまなく公開しつつ、保全も必要です。

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