2017年08月25日

素晴らしき、はいふりファンたちの話。

【素晴らしき、はいふりファンたちの話。】

母校(慶應義塾大学)の後輩である李宗軒くん(経済学部・2年生)が、サブカルチャーを活かした誘客への取り組みについて横須賀市にヒアリングに来てくれました。

応えてくださったのは、横須賀市経済部観光企画課の職員のかたがたです。

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■経緯

ご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんが、なんと、横須賀市には、「サブカル担当」の職員がいらっしゃいます。軍港としての歴史や、風景・地形が、アニメ・漫画・ライトノベル(通称「ラノベ」)・スマホゲームなどいわゆるサブカルチャーと大変相性が良く、横須賀市は様々なサブカルチャーとのコラボレーションをしてきました。

そして李君は、「聖地巡礼」、いわゆるアニメの舞台やモデルとなった現実世界の場所を、訪ね歩く観光について調べています。これまでも、論文執筆のため市を訪れる大学生がいらしたそうですが、おそらく上海出身の大学生は初めてじゃないですかね。

■「はいふり」

今回、李君が調べにきたのは、「はいふり」と聖地巡礼について。「はいふり」とは、「ハイスクール・フリート」というアニメのことです。

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(↑真ん中にいるのが主人公の岬明乃。写真は横須賀海軍カレー本舗で発見した明乃パネル。「はいふり」本編の説明はウィキペディアにゆずります)

「はいふり」では横須賀が舞台として出てきますが、「はいふり」と、横須賀市のコラボレーションの経緯が他市には見られないような展開だったので、李君も強く関心を持ってくれたようです。以下、市の職員さんに伺った内容も踏まえて、「他市に見られない展開」について解説しますね。

■他市に見られない展開その1:協力店舗がやたら多い

2016年9月~11月に行われたグルメスタンプラリーでは、なんと市内34店舗に等身大パネルが置かれました。はいふりに登場するキャラクターが多かったことも幸いしたのですが、1つのアニメで34店舗も協力する例は聞いたことがありません。たいてい、登場するキャラの作中での行きつけの店が、コラボメニューをやって終了、となりがちなところを、なんと34店舗。

当然、アニメ本編が終了した後も、等身大パネルが置いてあれば、「ああ、このお店は、はいふりファンを受け入れてくれるんだな(安心)」と、入りやすくなります。チェーン店ではない、個人店に、市外の方が足を運んでくださるという、とても嬉しい効果を生みます。さらに、「ああ、横須賀は、一体となって、街を盛り上げるために頑張っているんだな」という印象も持ってもらえるわけです。

■他市に見られない展開その2:アニメ本編が終了しても存在し続けるコミュニティスペース

そして、なんといっても「はいふり」×横須賀といえば、アニメ本編が2016年6月に終了したにも関わらず、横須賀中央駅前には、いまだに「はいふり」のコミュニティスペース(ファン同士の交流の場所)があることでしょう。

コミュニティスペースについては、当初は等身大パネルの設置されたギャラリーでした。放映終了後、2016年8月末にしめますとなった際に、持ち主であるさかくら総本家さんが「家賃はいらないから、ファンの交流場所にします」と言ってくださり、現在も引き続き土日に開所しています。普通の土日でも延べ人数で100~200人、イベントが絡んでくると300~400人がやってくるそうです。五月六日「五十六の日」(※アニメに登場する猫「五十六」)には、過去最高2日間で700人近くが来場したとも。

さらにですね、数名のファンがさかくらさんより「スタッフ」の称号を受け、このスペースの運営までされているというから驚きです。先日、1時間に100mmを超すゲリラ豪雨によってさかくらさんが水害に見舞われた後、五十六役の声優さんをはじめとする多数の方が応援に駆けつけてくださったり、「コミュニティスペースに毎週末来るわけですし、友達もできましたし、もう横須賀に引っ越しますわ」と10数名が今までに「はいふり移住」するなど、もはやアニメの枠をとうに超えたコミュニティと化しています。

■むすびに

12月には第3回福引会も予定されていますし、まだまだ「はいふり」はおもかじいっぱいよーそろー♪で頑張ってくれそうです。いやぁ、人口減少はなはだしい中で、本当に、嬉しいニュースです。そして、ヒアリングに来てくれた李君ありがとう。レポートを楽しみにしております!

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